第3話 女子更衣室での危機

 わたしが体育館に戻ると片付けが始まっていた。男子はバスケ、女子は二人で組んでの体操であった。

「おう『谷崎 きあ』は教室に戻っていいぞ」

 体育教師はわたしに声をかけて体育教官室に戻るのであった。

 わたしは女子更衣室に向かい着替える。

「あなた、最近、一季君と仲がいいらしいわね」

 あああ、クラスの女子のリーダ各の真紀さんだ。

 しかし、お決まりのパターンに自分でも驚いている。

 わたしはスマホの画面を見る。ペンギン姿の『i』は寝ていた。

 自分で乗りきれと言うのか……。

 ここは勇気を出して。

「一季君は大切な友達よ」

 ああ、言ってしまった。これでクラスの女子を全て敵にまわしたか。

 すると、クラスの女子達が女子更衣室に入ってくる。

「あのー半分くらいしか聞けなかったけど。一季君はもっと自由であるべきかと」

 それはクラスの女子の相違であった。

「け、仲良しごっこは反吐が出るわ」

 真紀さんは着替えるとそそくさと教室に戻るのであった。

『二歩進む』

 うん?

 賽の目が出た。わたしは二歩進むと先ほどの香苗ちゃんの前にでる。これはお礼をするのだな。

「助けてくれてありがとう」

「いいの、皆、真紀さんのやりかたに疲れていたから」

 良かった、一季君をめぐってクラスで孤立なんて事にならなくて。


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