第25話 雪解け ➃

日が昇るのが、少しづつ早くなるのが感じられる。冷え込みは相変わらずだが、耐えられないほどの時間は確実に短くなっている。


昨日から、寝床には主が用意した敷物と掛け布が敷いてある。

私がいつも紡いでいる布で作った寝床とは段違いの暖かさだ。

とても、悔しいんだけど。

主が、何を思ったのか、私と一緒に寝ると求めてきたんだ。

一緒に寝るのは、主を『拾った』時以来だから、もう思い出せないくらい前の話だ。


拒む理由は無かったが、いくつかお願いはした。

寝床が狭いから、今の姿では駄目な事。

敷布と掛け布が小さすぎるから用意する事。

前回一緒に寝た時に、その後痛くて寝られなかったから直す事。


そして、今、寝床には、静かな寝息をたてる、いつもと違う姿の主がいる。

『前の身体』の時に主に求められて以来だから、その激しさをすっかり忘れていたのは失敗だったな。

今回の主の『発情期』は、いつまで続くんだろうか。

どうせなら、『同族』を探して求めれば良いとお願いしたのに、『今回も』拒否されてしまった。


あ〜、身体のあちこちが痛い。

まだ、主から後ろから抱きしめられて『繋がった』ままだから、早く起きて離れて欲しいんだけどな!

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