第17話 依頼 ②
木の実や薬草を収穫した跡を追いながら一月かけて山をさらに越えると、谷底の水場に魚捕りの魚籠を見つけた。
近くに誰かが暮らしているのは間違いなくなった。
雨が降り始めた中を進み続け、もうすぐ暗くなる時間だったが確かめる為に更に進んだ。
焦りが有った為か、追われているのに気付けなかったのが最大の失敗だった。
最初に人の手が加わった跡を見つけたときに報告の為に一人戻したのだが、恐らく彼が原因で残った私達に追手がかかったとしか思えなかった。
いや、最初から監視されていたのかもしれない。
色々な魔導具か貸与されていたからな?
辺りが闇に包まれ風雨の激しくなった頃に、人の気配のある建物のある開けた場所に辿り着いた。
既に夜半も過ぎ、あと半時程で明るくなり始める頃に私達は突然襲われた。
リーダーは後ろから切られ倒れ、私は剣を抜くことは出来たものの二人がかりで切り付けられた為にすぐに劣勢になり、足を切られたのを切っ掛けに倒されてしまった。
小屋から人の気配がしたのは、その直後だった。
襲ってきた者達は、私達にとどめを刺さずに去っていった。
それでも、もう動くことができそうもない私は死を覚悟した。
薄れる意識の中で、小屋の中の気配を探り続けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます