第14話 襲撃 ②
母屋に近付く男達は、周囲の警戒を全くしていない。恐らく、他に仲間が居るのだろう。
そちらは主に任せるしかないな。
二人が食い終わったところで、念の為に尋ねておく。
「二人ほど悪意を持って近づいて来ているが、排除して差し支えないか?どうすればいい?」
顔を見合わせる二人。
殺意を持っていることは伝えなかった。
まだ私の力を全部伝える必要は無いからな。
「片刃の長い、見たことのない剣を二人とも持っているぞ。お前たちが切られた傷はあの刃物だな?」
「排除してくれ。私達の敵対勢力だ。」
「わかったよ。但し、報酬は貰うぞ?場合によっては此処に住めなくなるかも知れないからな?何を貰えるかな………っと相談は後にしようか、来るぞ!」
轟音と共に母屋が激しく揺れた。
屋敷諸共吹き飛ばそうとしたようだ。
何か気を当てられたら、そのまま弾くように条件付きで結界を張っていたのは正解だったようだ。
恐らく、近付いていた二人は跡形もないだろう。
気配が完全に消えた。
自分達の撃った気をそのまま受けたのだから、当然だろう。
『主、そっちはどうだ?』
返事の代わりに、小柄な男の首を咥えた主が私達の前に現れた。
「全部で三人の様だな。コイツはどうすればいいかな?」
勿論生かしておくつもりはないが、念の為に聞いておく。
主を見上げて、返事のできない男二人。
「っ何っ!フェンリルだと?」
唖然とする二人が、呟く。
「君は、フェンリルを従えているのか?」
「主は私の友達だぞ?で、どうするこの男は?」
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