第11話 能力
「信じられん!本当に、開けられたのか?」
「信じるも何も、お前の剣が教えてくれたぞ?
なんなら、お前の腰の袋を貸してみろ。」
渋々と渡された袋を開けて、中身を出してみる。
信じられないと言う顔で、固まってしまう男。
「有り得ないんだが?」
「何がだ?」
「魔力袋だ。持ち主の魔力を記憶してある。持ち主以外は開けることが出来ない筈なんだが?」
「よくわからんが、全部出せるわけではないからな?奥の方に何があるかは良く見えなかったぞ。」
「奥に有るものが感じられたのか?」
「ああ、何かが有ることだけだがな?」
「剣の方は?」
「お前のその腰に差してある短剣もおかしいな?
ちょっと、貸してみろ?」
「判るのか?」
「感じるだけだ。」
手にとって、鞘から抜き出す。
「信じられん!」
「さっきから、そればかりだな?この短剣も、私の物になっても良いと言っているぞ?」
「魔剣だからな。私の許しが有ればそうなるだろう。魔力を記憶した者しか鞘から抜けないはずだが?」
「そうか。なら、私の短剣を試してみるか?」
腰に差した短剣を男に渡してみる、
どうやっても、鞘から抜けないようだ。
「私達の剣よりも、魔力が強そうだ。短剣でこれ程だと恐ろしいな。他には有るのか?」
「これ以上は教えられないな。何か対価を貰わないと。
あ〜、丁度いい、お仲間が気がついたようだ。交渉は後だ。
さて、教えてもらおうか。」
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