第26話

みんなのポケットにスマホが残っていたのは、そういう理由があったからだったんだ……。



スマホでスピーカーも時計も、みんなの生死さえ、操っていたんだ……。



学年一番の秀才だったからこそ考え付いた、恐ろしい殺害計画だ。



「次は……あたしを殺すの?」



そう聞くと、リンちゃんは左右に首を振った。



「奏ちゃんのスマホはもう壊しちゃった。本人のスマホじゃないと効果は出ないようにしてある」



「じゃ……じゃぁ……」



「次は、あたしの番……」



そう言い、リンちゃんがスマホを操った。



「待って!」



あたしが止めに入るより早く、リンちゃんの額にバツ印が浮かんできた。



「リンちゃん!!」



「あ、言い忘れていたけれど、お父さんはあたしの計画を何も知らなかった。この場所を貸してくれただけだから」



そう言うリンちゃんは微笑んでいた。

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すべての計画を終えもう自分の人生に悔いはないというように。



「教室の鍵は開けておくね」



奏ちゃんがまたスマホを操った……次の瞬間。



額のバツ印がはじけ飛んだ。



大きな音を立てて弾けたリンちゃんの肉が、あたしの顔面に降り注ぐ。



生温かな血と肉がベッタリと張り付くのがわかる。



「リン……ちゃん……」



あたしは目の前で崩れ落ちるリンちゃんを、呆然として見つめていたのだった。

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