第26話
みんなのポケットにスマホが残っていたのは、そういう理由があったからだったんだ……。
スマホでスピーカーも時計も、みんなの生死さえ、操っていたんだ……。
学年一番の秀才だったからこそ考え付いた、恐ろしい殺害計画だ。
「次は……あたしを殺すの?」
そう聞くと、リンちゃんは左右に首を振った。
「奏ちゃんのスマホはもう壊しちゃった。本人のスマホじゃないと効果は出ないようにしてある」
「じゃ……じゃぁ……」
「次は、あたしの番……」
そう言い、リンちゃんがスマホを操った。
「待って!」
あたしが止めに入るより早く、リンちゃんの額にバツ印が浮かんできた。
「リンちゃん!!」
「あ、言い忘れていたけれど、お父さんはあたしの計画を何も知らなかった。この場所を貸してくれただけだから」
そう言うリンちゃんは微笑んでいた。
109 / 111
すべての計画を終えもう自分の人生に悔いはないというように。
「教室の鍵は開けておくね」
奏ちゃんがまたスマホを操った……次の瞬間。
額のバツ印がはじけ飛んだ。
大きな音を立てて弾けたリンちゃんの肉が、あたしの顔面に降り注ぐ。
生温かな血と肉がベッタリと張り付くのがわかる。
「リン……ちゃん……」
あたしは目の前で崩れ落ちるリンちゃんを、呆然として見つめていたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます