第23話

続は少し移動しドアに手をかけた。



しかし、それはまだ開かないようだ。



「イジメのリーダーが死んだのに、まだ出れないのかよ」



チッと舌打ちをしてそう言う続。



「あたしたち、全員ここで死ぬのかな……」



あたしはそう呟いた。



《リプレイ》に失敗すると死ぬ。



しかし、ここから出られる条件は一切聞いていない。



《リプレイ》させるだけさせて、助ける気なんてないんじゃないか。



そんな気がしてくる。



「でも、続はどうしてここにいるの?」



あたしは続を見てそう言った。



イジメの仲間の中に続はいなかった。



リンちゃんとも、深い関わりをしていたようには見えない。



続がこの教室に連れてこられている事が、一番の違和感だ。



続はあたしの質問に答えない。



『わからない』と言うならまだわかる。



しかし、答えないと言う事は続に思い当たる所があるからだ。



「ねぇ、続……」



そう言った瞬間、スピーカーが鳴った。



《それでは、次の《リプレイ》です。入学式の日を再現しなさい。相談時間は30分》



入学式の日……?



首を傾げるあたしに対し、続はジッと床を睨み付けていたのだった。

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