アオイから侑子へ

ユーコちゃん


 

 久しぶり!!


 レアキャラから来た! って思ってるんだろ? そうなんだろ?


 これからは、まあまあレアキャラくらいの登場頻度にはなるかもよ。


 筆まめじゃないからなあ。


 けど思いついた時に書いて、すぐにユウキに渡すってことはできるようになるから。


 どういうことかって?


 俺、王都に帰ってきたんだよ。

大学の建物が先週起きた地震で結構なダメージ受けてさ、併設してた学生アパートも住めない状態になっちまったから。


 しばらく大学は閉鎖。

住む場所もなくなっちゃったし、再開するまで実家にいるべきだろ。


 心配するな。

俺は全然悲観してない。

研究なんて、どこだって出来る。

それに今は、俺がやってきた研究が正に役立つかも?! って局面だと思ってる。これがワクワクしないでいられるか?


 というか、ユーコちゃん。

君は俺が大学で何をやってたか、ちゃんとその辺分かってたっけ?

あ、話してない。そうかも。


 ユーコちゃんにとっては、身近かもよ。

俺が研究してるのは機械だ。

 魔法で出来ることを、あえて魔法以外の方法で再現する研究ってこと。


 今この国、国中皆魔法を思うように使えない状況だろ?

 俺が勉強してきたこと、身につけてきた知識は、かなり重宝されてるんだぞ。

 さしあたり皆が何とかしたがってる、電気をどうにか安定供給するために何か作れないかなと考えてる。

俺みたいに暇を持て余してる研究者は、結構王都にいるっぽいんだよ。今度集まることになってる。きっとすごいことを思いつくぞ。


 ユーコちゃんは色々心配してくれてるって聞いた。

まぁ、どんな状況か見えないんだから、悪い方へ考えがちになるのは分かる。俺だって王都に帰ってくるまで、家族やユウキたちが心配だったもんな。


 だけど意外と皆楽しくやってるから、安心しなよ。


 毎晩、表で隣近所一緒に、大きな焚き火を作るんだ。キャンプファイアーみたいに。

 そこからランタンに炎を移して、家の中に持ち込んでる。

 日常的に必需品になったから、ランタンの硝子にビーズや薄布を貼り付けるアートが、最近流行ってるんだよ。中の炎が揺れると、壁や天井に模様が踊っているように映るんだ。とても綺麗なんだよ。


 音楽がないと寂しいってなったら、必ず誰か歌える奴や楽器できる奴がいるしな。こっちの夜は、以前より賑やかかもしれない。


 今日もユウキが、ツムグくんから絵を習ってた。

 この間あいつが描いた絵を見せてもらったよ。

 なんでユウキは何でも器用にこなせるのかな。歌も出来て、楽器も出来て、手先は器用で? 今度は絵まで綺麗に描けちゃうのかよ。俺の考えた設計図も、代わりに描いてくれないかな。


 ユーコちゃんの手紙に入れたいって、色々と描いてるみたいだよ。

 

 写真も最近は頻繁には撮れないからな。あれも結局、魔力だったから。

 つくづく思うよ。

 何でもかんでも、魔力ありきで成り立っていた日常だったんだなって。


 当たり前じゃないって、気づけたことは良かったのかも知れない。


 魔力に頼らない道も拓いていく必要に、皆が気づいただろうから。

俺のありがたさにな!


 気が向いたらまた書くよ。



アオイ

 

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