第6話:精鋭部隊

第6話:精鋭部隊


 さて、今日も一日覇業に勤しむとするかー。


 今日は、我が精鋭部隊の視察にきたのさ。

 精鋭部隊の隊長は、クララちゃんだ。

 可愛い名前だが、その実、筋骨隆々の強力な鬼族なのさ。

 でも、プロポーションは最高。

 もちろん美人。

 ミス魔族にもノミネートしたことがある。

「リータ様、今日はいかなる用件ですか?」

 クララは元気が良いのを通り越して、どなり声。

「うん、クララの顔を見にきたのさ」

「そ、そうですか…」

 クララは、ちょっと小声になった。

 頬を染めている。

 うむ、正直な娘でよろしい。

 グッドだね。

「部隊の調子はどうだ?」

「ええ、もちろん、今すぐにでも出陣できますよ!」

「頼もしいな」

 私は満足げにうなずく。

「ところで、彼の地に何やら降り立つとの噂が立っておる」

「それは、私に確認してこいとのご命令ですか?」

「いや、何もクララが危険に飛び込まなくても…」

 私は、ごにょごにょと唸る。

 クララちゃんが直に行くのは、ちょっと心配なんだが、


 むっ。


 クララは気に食わないようだった。

「私には、その任務はこなせないと?」

「そうじゃないさ、わざわざクララが行く必要もない。部隊の仕上がりは上々なんだろ?」

 私が言うと、

「そりゃもう、私がいなくても大丈夫なぐらいに!」

 クララは抗弁する。

 いや、挑発したんじゃないんだが…。

「私にやらせてください!」

 あり?

 何でこうなるのさ?

 私は、首を傾げたが、確かに、部隊の仕上がりはまずまずではある。

 ここは、クララに任せようかねえ。

 でも、クララは直情傾向だからね。

 他にもう一人つけようか。

「クララ、マギーも一緒に連れていっておくれ」

「え…ッ」

 クララは一瞬、固まる。

「マギーですか?」

 確認。

 そんなヤツとですか?

 って、ニュアンスだった。

「うん、あの娘は潜入とかは得意なんだけど、正面から敵と戦うのはそれほどでもないんだよ」

「……それ、私に学べと?」

「うん、相互に良いところを学べれば最高だとは思わないかい?」

「ですが…」

 クララは煮え切らない。

「クララ部隊長!」

 私は、突然、叫んだ。

「はっ!」

 クララは『気をつけ!』の格好で、敬礼をする。

 もはや条件反射だね。

「マギー部隊長との潜入任務を命ずる!」

「はいっ!」

「追って詳細を伝えさせる」

「了解! ……って、あれ? リータ様ァッ!」

 クララは、イヤイヤをした。

 その姿が可愛いので、思わずニヤニヤしてしまった。

 こういうプレイもいいですなあ。

 今度、クララちゃんを呼びつけて、やってみようっと。

 ん?

 私ってヘンタイ?

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