ドラゴンハンターとの対決

 ドラゴンハンターの男たちは、クレアの魔法に目を見ひらいた。ドラゴンを捕まえていない二人の男が剣を抜いて構えた。


 クレアは両手の水魔法を、剣を構えた男たちに向けて放った。ものすごい水圧の水魔法が男たちを吹っ飛ばした。それを見たドラゴンを捕まえている男は、ナイフを取り出し、子ドラゴンの首すじにあてて叫んだ。


「やい!小娘俺を攻撃してみろ!このドラゴンを殺すぞ!?」


 クレアはスゥッと息を吸った。胸の奥が熱くて仕方なかった。これは怒りだ、小さな命をたてにするなど許せない。


 クレアはきょせいをはる男に手の標準をあわせて叫んだ。


「メロディ!」


 それまで林の中に隠れていたメロディが飛び出して来て、ドラゴンを捕まえている男に手を向けた。メロディの手が淡く光る。途端、男の足元から沢山の植物のツタが勢い良く伸び出し、男の全身に絡みついた。男はがんじがらめにされ、ナイフと子ドラゴンを手から落とした。


 すかさずメロディの足元からツタ魔法か伸び出し、落下しそうになった子ドラゴンをキャッチした。ツタはドラゴンを優しく絡めとり、メロディの腕の中におさまった。メロディは子ドラゴンを抱っこして言った。


「良かった、ドラゴンちゃん!」


 クレアはメロディと子ドラゴンを見てホッと息を吐いた。クレアとメロディが子ドラゴンを救ったのだ。クレアが視線を男に戻すと、不自由な姿勢で足元に落ちたナイフを拾おうとしていた。


 クレアは舌打ちしてから水魔法を出現させ、男の頭に放った。男は頭を強く打たれて気絶したようだ。


 クレアはメロディに三人の男たちを植物ツタ魔法で拘束するように頼んだ。男たちの剣やナイフも忘れずに取り出しておく。


 メロディは男たちをグルグル巻きにした。これでとうぶん動く事ができないだろう。クレアは男たちが持っていた武器を水魔法で破壊した。男たちへの攻撃は、死んでしまわないように手加減したが、クレアの使う水魔法は金属すら破壊する力を持っているのだ。


 メロディは可愛い子ドラゴンにメロメロで、可愛い可愛いと言って頬ずりをしていた。子ドラゴンもうれしそうに、甘えたようにピィ、ピィと鳴いている。クレアはため息をついてからメロディに言った。


「さぁ、この子ドラゴンを安全な所に置いていきましょう?」

「ええっ?!可哀想だよ!」

「早くしないとこのドラゴンの守護者がやって来ちゃうわ。守護者のドラゴンが今の私たちを見たら、私たちが子ドラゴンを捕まえたように見えてしまうわ?」


 クレアの苦言に、メロディはしぶしぶうなずいた。クレアたちがこの場から移動しようとしたその時、にわかに空が暗くなった。


 雨でも降るのだろうか。クレアがふと顔をあげると、上空には巨大なドラゴンが浮いていた。クレアはヒィッと小さく悲鳴をあげた。


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