38、平野コウの学校は?
「うわぁ!やったぁ!コウ君の連絡先ゲットー!」
「私もコウコウのラインIDゲットしたよーっ!」
「大袈裟だよ2人共……」
水瀬さんとミヤミヤは嬉しそうにスマホを見せびらかしていた。
そんなオーバーな反応なんかされたこともないのでちょっと照れる。
あと、店内なので恥ずかしい気持ちもかなり強い。
通りかかったおばちゃん2人組が水瀬さんとミヤミヤを見てヒソヒソ噂しながら立ち去った姿を捉えたのが悲しくなった……。
「これでいつでもメッセージ飛ばせるね!」
「ねー」
水瀬さんとミヤミヤで楽しそうに語り合っている。
俺はちょっと怖いので、いつでもメッセージを飛ばされるのが怖い気がしてくる。
あと、別に毎日学校で会ってるしなぁと気付いてしまうと俺からラインを送る回数は少なくなりそうな気がしてくる。
「ちなみに、コウコウの年齢は何歳?」
「じゅ、16歳だよ……」
「私と同い年!タメかよ、コウコウ!」
「テンション上がり過ぎよ雅……。まぁ、気持ちはわかる!」
「わかるの!?」
そういえば水瀬さんについてもこちらは一方的に知っているだけで、水瀬さんからすれば俺の情報はあんまりないわけか。
平山剛と平野コウの情報がごちゃごちゃしてきて頭が痛くなってくる。
わりと簡単にボロが出そう……。
「てことは、高校生だよね!?」
「うん。高校生だよ」
「じゃあ、どこの学校!?どこの学校!?」
「が、学校……?」
どこの学校もなにも、水瀬さんとミヤミヤと同じ学校ですよ。
と、心で宣言してしまうがこれは2人に伝えるべきなのだろうか……。
そんなことを悩ませていたが、よくよく考えたら水瀬さんと平野コウとの顔合わせは親友君と同じ制服を着込んでいたのだ。
違う学校と嘘を付く方が情報に矛盾を生じさせてしまうことに気付いてしまう。
「あ、赤葉学校だよ。赤葉学校」
「赤葉って……、ウチ!?ウチの学校だよ愛!」
「それくらい知ってるよ。親友の友達なんでしょ?」
「うん!親友君は俺の1番の親友なんだよ!格好良いよね親友君!男として憧れるよ!」
「コウコウ、親友君の話題になった途端急に饒舌になったね!?」
「なんたって親友君は俺の親友だからね!」
親友君の話題になるとテンションが上がってしまう癖が発動してしまっていた……。
「別に親友の話題は掘り下げなくて良いよ」とミヤミヤに言われてわりと悲しくなった。
「てか、同じ学校じゃーん!クラスはクラス?」
「そこはね、秘密なんだ」
「えー!?ケチ!」
「学校で偶然出会える奇跡を待とうよ」
「ロマンチストなコウコウ!」
親友君から、水瀬さんとか知り合いに『どのクラスか?』と尋ねられたらこうやって答えろというお達しがあった。
これで本当に正解なのかはわからないが、ミヤミヤは満足そうであった。
それからはウインドウショッピングを終えて、3人でミャクドナルドでハンバーガーを食べたりしながら楽しい時間は過ぎて行くのであった。
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