第29話 ジャーナリストX(後編)‥からの

この番組は、春桜学園校長公認、小頼商会と……。


ご覧のスポンサーの提供でお送りします。


風紀委員会

腐女子連盟会

ショタ研究会

サキュバス連盟会

写真部

広報部



桃馬「おい、ちょっと待て、この終盤で変なスポンサーが付きまくってるのだが、この一瞬で一体何が起きたんだよ!?てか、そのスポンサーのほとんどが、小頼商会を支持してる連中じゃねぇか!?あと風紀委員会は、なに小頼商会を支持してるんだよ!?取り締まれよ〜!?」


3‥‥2‥‥1‥‥。


ジャーナリストX‥平和な交流の果てへ‥‥


映果「えー、始まりました。ジャーナリストX、平和な交流の果てへ、今回でおそらく後編だと思われますが、引き続き、私し亀田映果と、特別ゲスト兼解説役の佐渡桃馬さんでお送り致します。。」


桃馬「はぁ、早く解放されたい……。」


映果「こほん、えー、さて、タイトルコール前にさっそく桃馬くんからの不適切なツッコミが入りましたが、小頼商会は決して怪しい組織ではありません。むしろ、異世界共存文化に貢献している大切な組織です。」


桃馬「……いきなり番宣を始めてどうした?」


映果「いえ、先程の桃馬くんによるツッコミで、我ら小頼商会のイメージダウンに繋がってしまったと危惧しましたので、ただ払拭ふっしょくしたまでですよ。」


桃馬「……イメージダウンって、そもそも盗撮してる時点で、イメージダウンのへったくれもないと思うけどな?」


映果「失礼ですね。盗撮じゃなくて、取材と言ってくださいよ。」


桃馬「無許可の取材は盗撮と変わらんだろ?」


映果「許可なら取ってますよ。」


桃馬「へー、誰に?」


映果「校長先生にです。」


桃馬「……はぁ、まさか学園のトップに許可を取るとはな……。」


映果「そう!学園のトップから許可を得たと言う事は、あらゆる取材権を得たと言う事、つまり相手が嫌と言っても強引に取材が出来ると言う事です。」


桃馬「その解釈には無理があると思いますが?」


映果「ふっふっ、ジャーナリストとは、自分に取って都合の良い解釈をする事が基本です。一般的な解釈で取材をしても良い情報は得られませんからね」


桃馬「しれっと、自ら盗撮を認めてる事に気づいていますか?あと、今の時代、そんな取材してたら一発アウトだよ?」


映果「ふっふっ、それは承知してますよ。ですが、そのスリルもまた、ジャーナリストとしての本能を痺れさせるのですよ。」


桃馬「……近い内に逮捕されるかもな。」


映果「それに関してはご安心を〜、この快感は学園内だけに留めてますので。」


桃馬「異世界で盗撮したのに?」


映果「あれは部活動としての一環です。そもそもこの映像は、我々写真部が異世界の風景を撮っていたら、たまたま異種交流会の皆さんが映ってしまったとなれば、大体まかり通ります。」


桃馬「その言い訳は無理があるだろ?てか、こんなにガッツリ撮ってる時点で、邪な本性が見え見えなのだが?」


映果「おっと、このまま桃馬くんと話していては、気になるVTRが流せなくなってしまいますね。それでは、早速続きを見ていきましょう。」


桃馬「……これで終わって欲しいな。」


プチュン!



ザーーザーー。(砂嵐)


ピッ!


桃馬「おい、映果……。見覚えのある砂嵐なんだけど……。」


映果「うーん、そうですね。」


桃馬「確認するけど、大丈夫だよな?」


映果「まあ、見てみましょう。」


ピッ!


砂嵐の雑音が流れる中、徐々に映像が戻り始める。


?「‥あっ‥‥も‥と‥こつ~♪」


うつしてる映像は、どこかの茂みの様であった。


音声はイマイチ聞き取りずらいが、女性の声が微かに聞こえる。


桃馬としては、この時点で嫌な予感を感じていた。


映像のカメラは徐々に上がり始め、一瞬見覚えのある水色の髪が見えた瞬間、桃馬は透かさず映像を切った。


映果「えぇ~、桃馬くん何するのですか!?続きが気になるじゃないですか~。」


桃馬「ごめん、これ以上は法に触れそうだったもんで……、それと、やっぱり前編で流した怪しい映像じゃねぇか!」


映果「むう、ばれましたか……。(ルシアちゃんに頼まれてたんだけどな〜)」


桃馬「当然だ、砂嵐の時点で何となくデジャブを悟ったわ!ほら、こんなヤバそうな映像じゃなくて、普通のVTRを出せよ。」


映果「はぁ、仕方ないですね〜。では、微笑ましい映像をどうぞ〜。」


ピッ!


ぺぺをギルドへ運ぶ前……。


不純な映像から別の映像に変わると、そこには可愛らしい白い"もこもこ"とした少女が映っていた。


エルゼ「わふぅ?」


白い"もこもこ"とした少女の名は、"エルゼ・ヴラント"……。信じられないがあの駄犬、ジェルド・ヴラントの妹である。


そんなエルゼは、周囲に擬態しながらカメラを構える映果の助手に対して、不思議そうな顔でじっと見つめていた。



曇りの無い純粋無垢なエルゼの眼差しは、癒しの兵器とも言えた。そんなエルゼの元に、お調子者の魔王シャルと従者のディノが現れた。


シャル「ぬはは〜!見るのだエルゼよ!大物が取れたぞ~♪」


ディノ「よっと、ペペペンポ一頭ですね。」


エルゼ「ふぁ~、シャル様凄いです~♪」


あたかもシャルが狩猟した様に見えるが、実際ぺぺペンポを狩猟した功労者はディノであった。


ディノは、スライムの姿でぺぺペンポを束縛すると、自らトドメを刺さずに、わざわざシャルに手柄を譲ったのであった。


そうとも知らずに、シャルが一人でぺぺペンポを狩猟したと勘違いしているエルゼは、無邪気に跳び跳ねていた。


ピッ!


映果「ご、ごめんなひゃい、いきなり止めてしまっへ、こ、こりぇは……ひゅごいれふね……はぁはぁ……。」


桃馬「ごくり、あ、あぁ、可愛い……すごく可愛い……。一家に一人は欲しいですね。」


二人の解説者は、エルゼの愛くるしい愛嬌スキルに、身を震えながら興奮を露わにしていた。



桃馬「こ、これは、けもみみ研究会の目に止まってしまうと厄介だな。


映果「そ、そうれふね!さ、早速緊急会議を開いて対策しないと、エルゼちゃんが引き籠ってひまいまふからね。」


映果は、協力してくれている放送部の裏方に、合図を送ると一斉に小頼商会のネットワークに注意喚起と、緊急会議の開催を要請した。


映果「つ、次は、こ、こちらをどうぞ。」


桃馬「もう、これで終わって欲しかった……。」


これで恐らく最後の映像だろう。


桃馬は最後であると信じて、身を構えるのであった。


映像が流れると、そこには小頼と桜華が映っていた。


※狩猟クエスト開始前の事。


小頼「えーと、映ってるかな?」


桜華「小頼ちゃん何してるの?」


小頼「うん、ちょっと友達に撮影のお願いをしててね。今その友達の助手くんがここにいるんだけど、うまく映ってるかなって。」


桜華「助手くん?あら♪」


桜華の目の前には、二足で立ちながらカメラを回している黒猫がいた。


桜華「か、可愛い!」


小頼「でしょう~♪律儀にタキシードまで着ちゃって、まるで執事見たいだよね♪」


小頼が黒猫の頬を突っつこうとした時、ダンディーな声が響いた。


?「執事ですが……、なにか?」


二人の時が、一瞬だけ止まった。


気のせいだろうか。


今この黒猫、ダンディーな声で話したような……。


?「如何しましたか?あ、こほん、にゃー。」


丁寧な口調から、突然何かを思い出したのか、猫らしく鳴き始めた。


小頼「む、無理しなくていいですよ!?」


桜華「そ、そうそう!話せるのな無理なさらずに。」


?「にゃっ、こほん、そうですか。ならお言葉に甘えて……、あの、何か?」


二人の熱い眼差しに、撮影に集中できない黒猫は、失礼承知で二人に話しかけた。


小頼「本当に映果ちゃんの執事なのですか?」


コロ丸「えぇ、私は映果様にお仕えしている執事長の"コロ丸"と申します。この度は映果様の命で撮影のお手伝いをさせて頂いています。」


コロ丸は執事らしく、左手を右胸辺りに当てながらお辞儀をした。


小頼「さすが、執事長…。礼儀正しいですね。(もう〜、映果ちゃんったら、猫が話せるなら話せるって一言くらい言って欲しかったな~。)」


秘密にしていた気持ちも分からない事はないが、それでも教えて欲しかったと、小頼は心の中で思った。


そんな時、狩猟の準備ができた吉田先生からお呼びが掛かり、二人は急いで駆けつけた。



吉田「よーし、早速向こうにいるペペ二頭を肩慣らしに狩るぞ?油断するな、低級とは言え、あの角は危険だからな。慎重に下手に興奮させないようにな?」


小頼&桜華「はい!」


吉田「うん、って、あれ、ジェルドがいないが、どうしたんだ?」


この時ジェルドは、既に桃馬の後をこっそり追っていた。


小頼「ジェルドなら桃馬たちの班を追っかけて行きましたよ?」


吉田「っ、またあいつは勝手に動いて……、まあ、ジェルドなら大丈夫か。よし、三人で気楽にやるか。」


こうして、気楽に狩りに出た三人は、ペぺ三頭、ペペペンポ一頭を狩り取った。



ピッ!


映果「えーっと、一応ここで、クエストに冠する撮影が終わったのですが、エピローグとしてクエスト後の食事シーンを"たまたま"カメラに収めましたので、映像をお見せしようかと思います。っと、その前に桃馬さんから今回のクエストについて、"一言くらい"感想をお聞きしたいと思います。桃馬さん、どうぞ。」



桃馬「うぐっ、色々気になるワードがありましたが、敢えてツッコミませんが、まあそうですね。クエストとしては、とんだ貧乏く……。」


映果「はい、ありがとうございました。それではエピローグをどうぞ!」


桃馬「まだ、感想言ってないのだが!?」


ピッ!



日が沈み始め、辺りが薄暗くなった頃。


カオスギルドの中では、異種交流会の粋な計らいで、依頼主でも保管できない程のぺぺ肉を使用して、沢山のぺぺ肉料理が振る舞われていた。



シャル「ふむふむ、あの獣臭いぺぺ肉でも、しっかり料理をすれば美味ではないか。」


ディノ「味付けが良いですね。やはり、向こうの世界の香辛料や調味料の力でしょうか。」


シャル「恐らくな〜。もぎゅもぎゅ、やはり、食は強しなのだ〜♪」


ディノ「そ、そうですね。はむっ。」


美食家でも目指してるのか、二人は上品に食べていた。


それに比べ……、狼族のジェルドとギールは、一枚の肉を巡って取り合っていた。


ギール「おい、離せよジェルド。この肉は俺が目をつけてたんだが?」


ジェルド「奇遇だな……、実は俺もなんだよ。」


二人に取っては、かなり上手い部位なのだろうか。


お互い頑なに離そうとしなかった。


桃馬「どっちも同じだろ……もぐもぐ。」


憲明「まあ、二匹にしか分からない何かがあるんだろうよ、もぐもぐ。それより、京骨は珍しく食ってるな?」


憲明の目の前には、皿を次々と積み重ねる京骨の姿があった。


桃馬「確かに、まあ、あれだけ"ルシア"に絞られたんだ。栄養つけようとしてるんだろよ?」


憲明「違いないな、もぐもぐ。」


男性陣は、ここでも個性豊かであった。


一方女性陣は‥。


リフィル「はぅ~♪とても美味ですね♪何枚も行けちゃいます♪」


小頼「リフィルちゃん、久々に大食い解禁だね♪」


桜華「ふぇ!?リフィルちゃんって大食いなの?」


リフィル「えへへ、こう言う時だけだよ〜♪」


桜華「そんなに食べれるのに、よくお昼はあれだけで耐えられるね?」


リフィル「うーん、耐えられると言うか。正直、沢山食べられるってだけで、普段はお昼のお弁当くらいの量でも満足するんだよね。それに学園にいる時は、菓子を貰ったりしてるからね〜♪」


小頼「流石リフィルちゃん♪彼氏持ちでも人気者だね〜♪お菓子をお裾分けされる当たり、まるでお地蔵様だよ〜♪」


リフィル「えっへん♪私に食べ物をお供えすれば、たぶん良い事がありますよ〜♪」


小頼に担がれ、根拠もない事を自信満々に自称するリフィルに、少し真に受け始める桜華も便乗しようとする。


桜華「お供えか~、私も今度お菓子でもお供えするね♪」


リフィル「ふっふ~ん♪桜華ちゃんには、きっと良い事が起きるであろ~♪」


ピッ!


映果「ちょっと短かったですが、今回の取材は、異種交流会の絆と部活の目的を見させて頂きましたが、いや〜、それにしても、詳細に伝わるような素晴らしい映像でしたね。」


桃馬「そ、そうですね。一部を除いてですが、やはり種族を越えた交流は素晴らしいと思います。これからもね、"我々"の想いが少しでも皆さんに伝われば良いと思っています。」


桃馬の総括に、映果は拍手をして称賛した。


映果「いやぁ~♪素晴らしい総括ですね。これで学園ハーレム化計画の第一歩ですね♪」


桃馬「誰がそんな事を言った?んっ?」


一言一句あっていない、映果のまとめに桃馬は冷静な圧をかけた。しかし、映果はそんな圧をものともせずに追撃を始める。


映果「まあまあ、皆まで言う事はありませんよ?ジェルドとギールが迫って来る見たいに、学園に居るのサキュバスやエルフと言った、異世界出身の女子生徒たちから群がられたいのですよね?」


桃馬「もう写真部は、風紀委員会に頼んで家宅捜査だな。」


映果「っ、あ、いや、冗談ですよ〜♪でも、もし桃馬が学園ハーレム化計画を考えてるのなら私は支持しますよ~♪」


桃馬「全く考えていません。それに覚悟の無い遊び半分のハーレムは、私は絶対にしません。」


映果「ほほぅ~?と言う事はつまり、責任をおろそかにする者は?」


桃馬「もちろん、異端審問にかけて血祭りですね♪特に男子の場合は、見せしめがよろしいですね。」


映果「なるほど、桃馬さんは平等の鏡ですね。それでは桃馬さん、そろそろこの番組も寂しい事に終わりが近づいて来ました。最後に何かあれば一言〜。」


桃馬「っ、そうですね。やっと解放されるのでとても嬉しい限りです。あと強いて言えば、今ある種族を越えたこの交流文化を大切にしてもらいたいですね。」


映果「ありがとうございました♪それでは、お時間が来たようです。もしこの番組が好評であれば、次回もお届けすると思います。その時は特別ゲストの桃馬さんをレギュラーにしてお送りします。それではごきげんよう~♪」


桃馬「勝手に俺をレギュラー化するなぁぁ〜っ!!?」


この番組は、春桜学園校長公認、小頼商会と、ご覧のスポンサーの提供でお送りしました。


風紀委員会

腐女子連盟会

ショタ研究会

サキュバス連盟会

写真部

広報部




そして最後に、映像に収められなかった重要な会話をお届けします。


クエスト後の食事シーンにて……。


ルシア「それでね〜♪ちょっと、疲れ果てた京骨に、私の淫毒を注入してあげたら、まるで性欲に飢えた野獣の様に私を押し倒してくれたんだよ〜♪最初からフェロモンじゃなくて、強力の淫毒を注入しておけば良かったよ〜。」


時奈「ふむふむ。京骨はルシアに蹂躙されて喜ぶMかと思っていたが……、本性はSの様だな。恐らく、ルシアを大切にしているあまり、普段は遠慮していたのかもな。」


ルシア「た、大切……、〜っ///」


時奈の推測ではあるが、京骨に大切にされている事を考えたルシアは頬を赤く染めた。


時奈「流石のルシアでも、京骨に大切にされていると思うと恥ずかしい様だな。」


ルシア「あ、当たり前じゃない……。私に取って京骨は、かけがえのない人なのよ?」


時奈「あはは、それは私もよく知っているぞ。でも、淫毒を注入しないと本気を出してくれないとは、京骨の精神力は相当強いものだな。」


ルシア「そ、そうなのよね〜。堅物過ぎと言えばいいのか、それとも真面目過ぎると言えばいいのか。私が色々な手段を使って誘惑しても、京骨は絶対に襲ってくれないし……。対しての京骨は、そんな私を性的に見てくれない所か、普通の彼女として接して来る始末よ…。」


時奈「流石のルシアであっても、恋路となれば思い通りに行かない様だな?」


ルシア「うぅ、恋と性欲は全くの別物よ……。少し前までは、恋は性欲から生まれると思っていたけど、京骨と出会ってからは、その理論が尽く崩壊したわ。」


時奈「ははっ、恋と性欲か〜。確かにルシアの言う通り別物だな。そもそも恋とは長く続く物だが、性欲は一時的な欲求が恋と錯覚させてるに過ぎないからな。例え性欲で恋を得ても、その大半は偽りの恋だろうな。」


ルシア「…時奈先輩の言う通りよ。それでも私は、例え偽りの恋であっても京骨が欲しいの……。だから今の私は、京骨以外の男に抱かれるなんて死んでも嫌だと思っているわ。」


時奈「っ、そ、そうか……。ルシアの一途な恋は、私が想像していた以上に本物の様だな。」


京骨に対するルシアの愛を聞いた時奈は、想像以上に純愛をしている二人の関係に驚きながらも、ルシアの綺麗な愛を知った。


ルシア「ふふっ、私の心と体は既に京骨の物よ?京骨が私にエッチな命令をするなら私は喜んで受け入れるわ♪でも現状は願望だけどね。」


時奈「まあ、そう焦る事ないさ。取り敢えず奥手な京骨だ。無理に強要する様な誘いよりは、少しからかって誘う様な事をしてみたらどうだ?」


ルシア「た、確かにそうね。今までは、押し倒される目的で誘ってたから、少し控えめにした方がいいかもね。」


時奈「……うーん、もしかしてだが、今までサキュバスのやり方でやってたのか?」


ルシア「えぇ、そうだけど?」


時奈「はぁ、なるほどな。それじゃあ、京骨が手を出せない訳だ。」


ルシア「っ、だ、だって、仕方ないでしょ?真面目で堅物な京骨を夫に迎えたら、間違いなく京骨は、周囲の淫魔たちから笑い物にされる所か、性処理妖怪として犯されてしまうわ。だから私は、そんな悪い淫魔たちから大切な京骨を守るために、少なくとも公衆の面前で堂々と、そして容赦なく私を屈服させるくらいになって欲しかったのよ……。」


時奈「…う、うーん、京骨に対するルシアの愛は分かるけど。どう考えても京骨には荷が重い話だな。」


ルシア「うぅ、で、でも……、今更レベルを下げるなんてできないよ〜。」



お詫び、悲痛なサキュバスの恋事情をお届けしましたが、完全に視点を間違えた事をお詫び申し上げます。



見て頂きたい映像はこちら。



依頼主「ギルドの方々、今日は本当にありがとうございました。お陰で明日からでも店が再開出来ます。」


吉田「いえいえ、喜んでもらえて良かったです。」


依頼主「えっと、それで、今後ともお世話になると思いますが、改めて皆さんにお耳に入れたい事があります。」


吉田「ん?何でしょうか?」


依頼主「はい、皆さんもご存知かと思いますが、ここ最近、帝都や近隣国からの物流が悪く、自ら狩猟や採取をしようにも、亜種族の活動が活発になっていると耳にします。中には、輸送中に襲われ略奪されたとかもあります。」


吉田「その様ですね。確かにここ最近、亜種族による横暴をよく耳にします。現状物流が途絶えるのも納得です。中には、各国家が亜種族と同盟を結んでは、見返りを癒着してると言う噂もあります。」


エルドリック「その通り、噂だと亜種族と不可侵条約を結ぶために、自ら物資を流しているとも聞いている。」


ランドルク「噂ではない、事実の話だ。魔界の友人からは東国が怪しいと言われている。しかも、東国の情勢も不安定な様だからな。」


吉田「……この時期にそんな事が、うーん、少し警戒した方がいいな。」


シシリー「最近物騒ですからね、ここもいつ襲撃されるか……。」


吉田「うーん、エルトリオ王はどう考えてるのだろうか。」


徐々に異世界を脅かす黒い雲……。

この街に到来するのはいつの日か……。

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