1990・9・21 青紫・由緒ある家・リバーサル



1991年9月21日



会社の慰安旅行の様だが内容は修学旅行のような感じ。

乗っているバスは市バス。


しばらく走っているとレンゲの一つの花びらで青紫のものが

沢山ついた花が見えて来る。

とても美しい。

いい香りがしてヒヤシンスを栽培しているセンターのような所に着く。

だが私はバスから降りず、何人かを残して人は降りて行く。


またバスは動き出し、センターの中に人がいるのが見える。

センターの向こうは海岸。


しばらく走るとYさんが私が知らない女性何人かといて

私は声をかけ、

お腹が大きいのに良く来たね、

他の人は知っているのと言うと、

知らない、黙っているから言わないでね、と彼女は言う。


海辺の村のような所を歩いていて

さっきの若い女性達も一緒にいて、

みな良く喋っている。


やがて改装中なのか廃墟なのか、

壊れている古い家の中にいる。

工事をしている人もいて

中を見るととても広く沢山の部屋がある。


ずっとまわっていると床の間がある座敷があり、

由緒ある家に見える。

そのまま奥に行くと物が置いてあり、

扇子や着物などを見てここにはまだ人が住んでいて、

いずれ戻って来るなと思う。


夕方になり、山を歩いて行くとイギリスの古い建物があり、

ガウディの教会のようにも見える。

太陽を背にしてシルエットに見え、

空が深く透明な青で、徐々に黄昏のグラデーションになり

大変に美しい。


私は手持ちのカメラで写そうとするが

大したカメラではないので、

一眼レフならすごく綺麗に撮れるのに、

リバーサルなら青が綺麗なのにと騒ぐ。




補足:

一時期カメラ関係の仕事をしていて一眼レフは触って、

リバーサルカメラの存在は知っている。

さすがにリバーサルは触らせてもらえなかったが、

(フイルムが高かったんだよ!

露光とか準備が大変だったし。モノクロ写真は撮らせてくれたけど。)

大変に発色が美しいと思う。

多分夢の中のその景色は留めて置きたいぐらい美しかったのだろう。


今の時代スマホでかなり美しい写真もすぐ撮れるので、

大変良い時代になったと思う。

自分の心の琴線に触れた景色を残したい気持ちは

とても良く分かる。


Yさんは度々私の夢の中に出てくる人。

子どもの時からの知り合いである。

今は残念ながら鬼籍に入っている。


今小説書いているんだよ、と話すと

多分へえーと言ってにやりと笑うだろうが、

そんな話すらもう出来ない。





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