第5話

「はいはい、僕が少数派でおかしいんでしょ。」


Cはこの発言に異常に反応し、怒り狂った犬のように噛みついた。


「少数派だからっておかしい訳じゃないじゃん。」

「結果的に見れば少数派はおかしいって扱われてるだろ。」

「少数派にだって正義はある。」

「もういいや。」


どうやらCは話が通じないようだった。

僕は話を切り上げて、机を教室の後ろに運ぶ。

Aがグループチャットなどの全員が確認できる方法で、確認を取ったのならば僕は納得したし、少数派はいつだって世間からおかしいという扱いを受けている。

社会主義だって、真の天才だって、元に僕だってクラスメイトから白い目で見られている。

少数派に正義が有ろうと無かろうと関係ない。


皆机を運んだり、掃除をしている時もAは黒板に指示を書いたり眺めたりするだけで、ほとんど手伝わなかった。

掃除も終わり机を並べ直していると、担任が様子を見にきた。

Aに加担した担任も同罪だ。

僕は怒りが沸々と、腹の奥底で沸き上がるのを感じた。

廊下に出て少し頭を冷やす。

誰かが教室に戻れと呼び掛ける声が聞こえた。

僕は後方のドアを閉め、何食わぬ顔で席に座った。

担任が色んな話をして、ついに解散となった。

礼をして、バッグを持って後方のドアに向かう。

前方のドアを開けようとしたクラスメイトが、驚いた声をあげる。

僕はバッグから刃渡り数十センチのマチェットを出し、目の前のクラスメイトの首をめがけ振る。

え、と小さな声は悲鳴によって書き消された。

損傷した大動脈から深紅の血液が吹き出て、僕の手元とマチェットを彩る。

僕は腰が抜けて床を這いつくばっているクラスメイトに近づき、首をめがけて振り下ろす。

プシャーと血の噴水が出来上がる。

僕は初めての血の噴水に感動した。

前方のドアにクラスメイトが密集し、早く開けろと怒号が飛び交う。

非常に愉快だった。

前方のドアは絶対に開かない。

僕が頭を冷やした時、外側から接着剤で接着しておいたのだ。

僕はどんどん追い詰め、襟を掴んで引っ張り首元に刃を少しずつ食い込ませていく。

悲鳴と断末魔がデュエットしてワルツを奏でる。

僕をワルツに合わせて鮮やかに殺していく。

ポケットからサバイバルナイフを取り出して、Cの腎臓辺りを背後から刺す。

Cは言葉にならない悲鳴を上げる。


「本で読んだ通り、豆腐を刺すみたいで楽しいなぁ。」


僕は血まみれで、切れにくくなったマチェットを後ろに投げ、残りの十人程度をどう殺そうか考える。

Aと、Bを含むAの周りにいる金魚の糞はゆっくり殺してあげよう。

それ以外のクラスメイトをさっさと片付け、Aの右肩を切りつける。

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