第4話

文化祭は土曜日と日曜日の二日間行われ、土曜日は生徒のみ、日曜日は生徒を含む一般人が参加可能だ。

土曜日は生徒のみだったため、売れ行きはあまり芳しくなかった。

土曜日の終了間近、商品の配置替えをしているとCが話しかけてきた。


「予算で買ったお菓子食った奴らがいて、お菓子無くなったんだって。」

「とんでもないな。」


予算で買ったお菓子を食べるのが悪いが、僕の提案通り予算を別で組めばややこしくならずに済んだだろう。

このことは予想していなかったが、僕の言った通りにすれば対応出来たことだ。

下等動物には、崇高な僕の考えの素晴らしさが分からない。

結局問題は解決せず、解散となった。

僕は夜の闇に紛れ帰宅した。

僕は今日の出来事を5ちゃんねるに書き込んだ。


日曜日は土曜日と比べ物にならないほどの来場者と売れ行きだった。

他の事業もそれなりに売り上げを出していた。

お菓子を食べた生徒達は、追及を恐れたのか登校していなかった。

文化祭が終わると、ぞろぞろと打ち上げに行くか帰宅していった。

僕は明日の片付けの負担を減らすため、自分の荷物を持ち帰った。

僕は寝たかったが、また5ちゃんねるに書き込みをする。


「明日血が迸るような祭りをする。」

「なんだそれ。」


ねらーはどんな祭りか予想していたが、明日のお楽しみと書き残しパソコンの電源を落とした。

少し大きめのバッグに必要な物を入れて、僕はベッドに入る。

二日間の疲れがドッと押し寄せ、すぐに眠りについた。


いつもと同じ時間に登校するのは嫌だったが、仕方なく早起きをして登校する。

てっきりお菓子を食べた生徒達は来ないと思っていたが、何食わぬ顔で来ていた。

Aが教壇に上がり、指示を出す。


「受付と呼び込みの人はゴミ袋を取りに行って、ゴミがまとまったら捨ててきて。事業を担当した人はそれぞれの片付けをして。」


皆Aの言う通り、思うがままに動いていく。

Aは黒板にやることを書き、黒板を見つめて満足そうにしていた。

僕はAのこの一連の言動に嫌悪感と違和感を感じた。

指示を出すのはいいが、言い方が上から目線で、どこの片付けも手伝わず、必要のないことをあたかも必要があるようにやる。

つまりAはリーダーではなくボスだ。

リーダーは対等に指示し、率先して行動する。

しかし、下等動物にはリーダーとボスの違いが分からない。

僕はCに話しかけた。


「昨日の夕方に今日の予定送られてきたじゃん?これAの独断だよな。皆に確認しないで決めるの良くないよな。」


僕は昨日の夕方のグループチャットの画面を指差す。

Aが今日の予定について連絡していた。

担任の許可も取ってあると書かれていた。

Cは反論してきた。


「いや、その場にいた人に確認したから独断じゃないよ。」


僕はCの思考が理解出来なかった。


「いやいや、僕はその場にいなかったし、一部の人にしか確認してないんだろ?良くないよ。」

「別にAは悪くない。」


Cは育ちの悪い犬のように、僕の発言に噛みつこうとした。

僕は育ちの悪い犬の相手が面倒になって、話を反らした。

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