第5話 リーファ求婚

「私 助かったのね・・リーファ ボロボロじゃない?」

「私 大丈夫。アケミ 怪我はない?」


しばらく経つと二人は意識を取り戻して会話を始めた。

無事を確認し 称え合うように喜び合ったがしばらくしてアケミが上目遣いで俺に語り掛ける。

敵から奪った上着から見える胸のふくらみも一緒に 訴えかけるように突き出ていた。


「トシユキが助けてくれたの?」


「ああ そうだ。詳しくは後で話すけど特殊な力を手に入れたんだ」


「えぇ~すごいじゃない。見せてよ(特殊な力? トシユキが超カッコよく見える)」


「見せられるような力じゃないよ(あれ? アケミの声が聞こえる)」


「じゃぁ どうしてそんな力が手に入ったの?」


「球根だよ。あの球根を食べたら球根マンに変身したんだ」


「へぇ 球根マンね。ふふふ でも 私も球根を食べたわよ。ほら 最初の日にお腹が空いた私に一欠けらくれたじゃない?」


「そうだ。でも 違う効果を貰ったかもしれないな」



リーファがよろけながら俺の方へ歩いてきた。

この中で一番頑張って 一番ボロボロになったのはリーファだろう

俺はリーファにコブシを突き出して 健闘をたたえた。


「やったな!リーファ」


だけどリーファは 俺のコブシなんて素通りして目の前に立つと顔が近い。

瞳は爛々としてうるんでいるように見えた。


「トシユキ リーファを助けた 本当か?」


「ああ 助けたことになるのかな?でも リーファもアケミのために戦ったじゃないか?」


「最初は アケミ助けて求婚する気持ちだった。でも エルフの里の決り

守るリーファは助けてくれた男 愛す チュ!!」


「ん!!」


リーファが俺の唇に触れた。

これが キスなのか・・ 柔らかい。

全身に麻酔がかかったように 体にシビレが駆け巡った。


「トシユキ 愛してる」


リーファはさらに唇を押し付けてくる。

「ち・・ちょ、ちょっと待て」


「待たない。トシユキとリーファ 結婚する。」


視線を逸らすとアケミが見えた

ぽかーんとした顔をしている。


「リーファ どうしちゃったの?(なにこの気持ち・・)」


「わからない。突然リーファが可笑しくなったんだ」


リーファは 首をかしげる可愛い顔をして困った表情をしてみたり微笑んでみたり

ツヤのある声で俺の名前を呼んでみたり、まるで 誕生日にお人形を貰った子供のようにはしゃいでいる。

馬に乗って帰るときも二頭しかいない馬にどちらかが二人乗りしなければいけなかった。


「夫婦は二人で乗る 当たり前。アケミは一人で帰る」

「私 馬なんて乗ったことないわよ」



結局 アケミを馬に乗せて俺が手綱をひいて歩いて帰ることになった。

リーファは 馬がいるにもかかわらず俺の腕にくっついて一緒に歩く。

柔らかいホホが俺の肩に触れるので 胸のふくらみも触れてこないかと期待もしたがリーファには無理だった。

視線を馬の方へ移すと たわわに実った果実を揺らすアケミがいる。


「あれだったらよかったのに」

「何か言ったか? 帰ったら 私たち結婚式する」

「俺は元の世界に 帰りたいよ」

「照れなくても いい 素直に なれ」


ギュ!

腕を引き寄せて胸を押し当ててきたが・・

やっぱり 何もない。


エルフの里に帰るとリーファが 叫んで村の人たちを集めた。


「どうしたん リーファ たん」

「わたし はやく 眠りたいわ」


「村のみんな トシユキ 強い男。私を守った!

私は 宣言する!! トシユキと結婚すると!!」


パチパチ パチパチ


ざわめいたがそのうち下着のエルフが話し始めた。

「私たちを守ってくれる リーファたんの頼みなら 私たち村のみんなは祝福するわ。後は長老の許可があれば結婚出来るわね」


というか 帰って来て早々休む暇もなく何を始めたかと思えば結婚宣言

断る暇もなかった。

でも 長老の許可がなければ結婚はできないらしく しばらくすると村のみんなは

あくびをしながら家に戻って行ってしまった。

リーファは 力なく崩れ落ちて落胆の顔を浮かべていたがかける言葉な持ち合わせていない


「残念だったな リーファ。俺たちは明日 長老を探して村を出ようと思う。元の世界に帰るヒントもそれぐらいしかなさそうだしな。リーファは 引き続き村を守ってくれ」


リーファが俺を睨みつけてきた、、


「そんなに・・ そんなに私と一緒に居たくないか?」

「ああ 正直に言おう。俺は元の世界に帰りたい。俺の夢を叶えるためにもリーファと一緒に居ようなんて思わない」


リーファの足元に水滴が落ちた

顔を上げると 「私の家にあるアイテム 好きに持って 勝手に旅に出るといい」 

そう言うと 走ってどこかへ行ってしまった。

顔は 涙を流しているようだった。


アケミが俺の肩に手を置いた。


「いいの?」


「ああ 構わないさ。俺は元の世界に帰って夢をかなえるんだ」


「トシユキは まじめねぇ そんなに進学がしたいの?」


「進学? 俺の夢はもっと先にあるけどな」


「勉強もいいけど恋くらいしなさいよぉ~って言っても 無理そうねぇ ふふふ(仕方がないわね。あなたにも私の魅力を教えてあげるわ フフフ)」


リーファの家に一泊したけどその日 リーファは帰ってこなかった。

仕方がなく旅の支度を整えて

回復薬・毒消し草・ランタンなどなど 色々と整えた。


「よし 出発しよう」


「リーファ 最後まで現れなかったわね」


みんなに手を振り 村の囲いから外に出ると人影がある。


「リーファじゃない!」


微笑むリーファは こちらへ歩み寄ってきた。

見た目も旅の服になっており 背中には弓を背負っていた。


「リーファ トシユキたちと一緒に旅に出る」


「村はどうするんだよ?」


「村のみんな リーファとトシユキの結婚 認めた。後は長老に認めてもらうだけ 大丈夫」


いつの間にかに村のエルフたちとも話が付いてきたようだった。

面倒になりそうだったので何度か断ったが 長老の居場所に心当たりがあるというので仕方がなく旅をすることになった。


リーファが 仲間に加わった。

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