第6話 戦士の街の採用試験

「好き好き 愛してる 私 誰が好きか わかる? ねえ わかる?」


「そんな事より こっちで道はあっているのか?ずっと 砂漠しかないぞ」


「もう 照屋さん。道はあってる。だけど 何個かの街 通らないといけない。男どもの街。腐れ男どもの街・・。トシユキは 違うよ。大好き 大好き ちゅ~」


「俺は帰るって言ってるだろ。 それよりアケミを人質にとった男どもが魔物を従えていたけどあれは何なんだ?それから 砂漠で熱いのに ちゅ~ なんて止めてくれよ。離れろ!」


「じゃあ 後でイチャイチャする。 男たち年を取り過ぎると魔物を召喚する者現れる。自分の欲望を満たすため。女 傷つける」


「それって 30歳まで童貞だったら魔法使いになれるって話に似てるなぁ」


「トシユキ よく知ってる。妄想が己をりょうがすると 魔物を召喚して女を襲うようになる。だから 殺しても構わない」


「それは構うだろ。って言うか 離れろって」


アケミが馬の上から俺の方を見ると喉をさすってウィンクをした。


「トシユキ 私 のどが渇いたの。。お水も飲みたいなぁ~(関節キッス したいでしょ?こんなこと言われてドキドキしてるでしょ?想像したでしょ?)」


「そんなことできないよ 気づいてないのか?(はぁ~ アケミの心の声が聞こえるようになってから萎えるぅ~)


アケミはこちらに身を乗り出すフリをして太ももをチラリとしてきた。

顔は美人で胸のふくらみもたまらないのに・・男を落とすことばかり考えている女だっなんて

正体がわかるとなえてしょうがない。


リーファが駆けだした


「見えてきた。戦士と剣の街:ブールリール」


石造りの要塞のような街が見えてきた

入口の門は石造りの大剣が二本そびえ立っている。


通行料を払って街の大きな門をくぐると 広く続く石畳がどこまでも見えた。

噴水の向こう側には 整列をしてこれから訓練を受けようとする兵士見習いたち

武器を売る商人たち

ワイルドな骨付き肉を売る いかつい露店商などがいた。


「この街にエルフの長老は囚われているのか?」


「ここは エルフの里から一番近い街 長老を連れ去った者 この街に立ち寄ったはず。街の人 片っ端から話聞く」


労はかかりそうだが エルフを連れた旅人がいなかったか

聞きまわるしか方法がなさそうだ。

お店やギルドに酒場と聞き込みをしたが エルフを連れた旅人の情報はない。

もしかするとエルフの金髪は目立つのでローブなどを着せて姿を隠していたのかもしれない


「はぁはぁ 片っ端から聞くって言ってもこれじゃきりがない」


アケミが小さく拍手のようなしぐさをすると 何かひらめいたように口を開いた


「ねえ 宿屋だったら顔を見ているかもしれないわ(私って やっぱり天才)」


立ち寄ったのなら宿泊もしているはずだ。

宿を訪ねて聞き込みをしてみよう。


街の人たちに宿の場所を訪ねて 片っ端から宿に聞き込みをした。

すると以前 数人の戦士のパーティーがこの宿に泊まりに来たという話を聞くことが出来た。

戦士2人に挟まれたフードを被った女性から チラリとだがツヤのある金髪が見えたので

宿屋の主人は覚えていたのだという。

宿帳で 宿泊者名を調べてもらうと「ジーク」という男だという事もわかった。



「ジークはどこへ行ったか分かるか?」

「さあな。傭兵も混じっていたようだが ジークって男は兵士の関係者だろうな。腕に隣町の兵士たちが好んで入れる形のタトゥーを入れていた。

何でもタトゥーを入れることで契約兵士から専属兵士に昇格したいという熱意を伝えることが出来るらしい。

ホントかどうかは知らんがな。 

そこの看板に兵士募集と書かれているだろ?興味があるなら見てみるといい」


通りには兵士募集の看板が建てられていた。

しかし 一人のフードを被った剣士らしい人が看板の前に立っていてよく見えない。


「あの~ その看板を見たいのですが!」


剣士は一歩引くと 気が付いたように甲高い声をだした。


「すまない。・・・キャ! 男が一人に女が二人。ど・どんなハーレムだぁ?ハーレムなのかと聞いている!」


動揺して小刻みに震えるフード姿の剣士から長い髪と興奮ぎみの息づかいが聞こえてきた。

何かを勘違いしていないか?


「俺達は そんな関係じゃない。ただの旅のものだ」


「そうだったのか?」


しかし リーファが満面の笑みを浮かべると俺のホホに手を滑らせた。


「私 トシユキの婚約者。私 トシユキを愛してるの」


「日の高いうちからベトベトしだしてやっぱり ハーレムプレーじゃないか?

もしや 私もそのハーレムに加えるつもりだな!

そうはさせぬぞ。私には田舎で待っているお母ちゃんがいるのだぁ~ さらばじゃ」


ローブを羽織った女剣士は そそくさと言ってしまった。

結局なんだったんだろう?

戦士風だったけど女だった。


アケミが口を開いた

「あの人 傭兵じゃないかしら・・」


看板を読むと隣町では兵士が不足しておりこの街で求人をしているという内容だった。

看板に書かれた建物に行くと受付の商人がいて 兵士募集について説明してくれた。


「ジーク?さあね でも 会うのは無理だろうね いったん兵士に採用されてしまったら特殊な任務を与えられることになるから 簡単には会えないさ。

まあ 契約は1年だから1年経ったらこの街に帰ってくるかもしれないね 来ないかもしれないけど」


俺たちは 兵士の採用試験に侵入して「ジーク」をヒントを探すことにした。

受付を済ませて 採用試験の広間に着くと手だれた戦士たちがゲラゲラと会話を楽しんでいる。

腕に覚えのありそうなやつらばかりだ。

そんなとき 小さな壇上に一人の男が立ち 話し始めた。


「諸君 よくぞ集まった。我は 隣の町のバレルの街の兵士長ちにはこれから試験を受けてもらう。

しかし 有能な者には1年の契約を与えるが 無能なものは必要ない。

試験期間は3日間だ。

初日の1日目の選考方法はお前たちにまかせる。

いいか?夕暮れまでに主体的に行動をして50人の参加者を25人に絞っておけ 以上!」


こうして 第1の試験が始まった。

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