第2話 5歳の双子
産まれてから五年経ち、俺とフローラは気づけば5歳になっていた。この五年間で俺は、ありとあらゆる情報を調べまくった。
俺たちが暮らすこの国はヴォルダート王国。世界の5分の1の面積を誇る、大国だ。他の国と比べてもレベチでお金持ってるし、軍事力も最強らしい。
この世界には、前世では存在しなかった貴族階級というものが存在する。中でも、ヴォルダート王国には四大公爵家と呼ばれる大貴族が存在する。その四家の内の一家が、俺たちヴァロワ家だった。
王国の中心地、王族が住む王都の周りを囲うように存在する四大公爵家。そのうち北側に住むのが我々ヴァロワ家だ。四大公爵家の中でもトップクラスの経済力と軍事力を誇り、国への貢献度も半端ない。四大公爵家にはそれぞれ専用の軍を持つことが許されており、その強さは計り知れない。
男女比が1対100ということもあり、戦場に出るのは女性らしい。大体の男性は男性というだけで、働かなくていいほどのお金が国から支給され、アクティブな男性はほとんどいないらしい。
というのも、この世界は一夫多妻制と近親結婚が採用されているが、かつて女性は数少ない男性に選ばれるために積極的にアプローチする人が多かった。その際に遠慮というものがなかったらしく、それで女性恐怖症に陥る男性が多発したため、女性に対して苦手意識を持つ男性がほとんどらしい。
しかしながら、俺は前世で女性と交際した経験もなければ、仲の良かった異性もいない。だから興味津々だし、積極的に関わりを持ちたいとすら思っている。だって、うちに仕えてる女性全員、綺麗な人多いんだもん!
まだ外出した事は1度しかないが、ヴァロワ家の屋敷に住む女性のレベルが異常に高い。皆可愛いし綺麗だし、何よりエロい。俺のジュニアが毎回暴発寸前になるし、5歳児には刺激的すぎる。まあ、中身は25だけど。
ドアがコンコン、と鳴る。「アル兄様、入りますね」の挨拶とともに妹のフローラが入ってくる。俺の事を確認するや否や、俺の胸に飛び込んできた。
「アル兄様ー!今日もとっても素敵です♡もう朝から愛が溢れちゃいます....♡」
「おわっ!お、おはようフローラ。今日も元気で何よりだよ」
「はい♡アル兄様がいる限り、フローラは元気なのです!今日もいーっぱい私を甘やかしてくださいね!」
「うん、もちろんだよ。俺もフローラの事大好きだからね。甘やかしてあげる」
「はぅぅ...だ、大好きって、もう、アル兄様ったら♡」
もう見てわかる通り、妹のフローラは立派な超ブラコンに育った。俺の事が大好きで、何処へ行くにも着いてくる。まあ俺としては嬉しいのだが、トイレや風呂まで着いてきた時はさすがに困った。まあこの国は近親婚OKだし、何も問題は無いのだが。まあ、どこぞの馬の骨にフローラをやるくらいなら俺が貰う。俺も立派なシスコンだなこりゃ。
魔法についても調べたのだが、10歳になる時に教会に魔法適性を調べてもらい、そこで初めて自身の魔力量と使える魔法の属性が決まるらしい。まあ魔力量に関しては努力すれば増やすことも可能らしいが、生まれ持った才能が魔力量の大半を占めるため、あんまり意味無いらしい。これで俺が10歳になって魔力量が低かったら泣いちゃうよ💦しくしく。
魔法の属性についてだが、火、水、土、風の基本四属性と、光、闇の特殊二属性、基本属性の上位互換である上位属性がある。上位属性は基本的に、基本属性を極めることで使用することができ、使えるものは僅かしかいない。
身分や才能によって使える属性は限られる。大体だが、平民は一族性、下位貴族は一族性~二属性、上位貴族は二属性~三属性といった感じ。四属性以上使えるのは、現在王国には5人だけ。四大公爵家の者1人づつと、王様のみ。うちの母5人のうちの1人とか凄くね?
なんとうちの母であるマリーカは、王国の財務省の大臣を務めており、めちゃくちゃ偉い人らしい。それで魔法の腕は王国内で5本の指に入るとか、最強すぎん?
「兄様、兄様!聞いてます?さっきから何か考え事をしてるみたいですけど」
「あ、ああ、もちろん聞いてたよ」
「嘘ですね。アル兄様は嘘をつく時、左手で髪の毛を触るくせがあるので。」
げ、まじか。さすが超絶ブラコン妹だわ。
「罰として、今日は一緒にお風呂に入って貰います!言っておきますが、拒否権はありませんからね?」
「はぁ、わかったよ。今日だけだぞ?」
「やった♪̊̈ありがとうございますアル兄様♡」
まあ、可愛いからいっか。沢山愛でてやるとしよう。
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