幼少〜少年時代

第1話 双子の誕生

どこからか声が聞こえる。女性の声だろうか。



「「....ホギャアア、オギャアア!!!」」



「おめでとうございます!元気な双子の男の子と女の子です!男の子の出産に立ち会えるとは....」



「ああ、良かった。私の大切な子供たち......

なんて可愛いのかしら」



どうやら俺は、赤子に転生したらしい。しかも双子の片割れとして。今俺たちを見ているのが母親かな?


って、めちゃくちゃ美人じゃねえか!20代前半と言われても疑わない美しさだな。この人が母親とか、レベル高ぇなおい。


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とりあえず赤子の今の時点で分かったことは、母親がどえらい美人だという事、そして父親がいないということくらいか。まだ話すことは出来ないし、意思疎通をとる手段が無いため、とりあえず大人しくしている。


どうやら俺の名前はアルベルト=フォン=ヴァロワと言うらしい。名前の長さ的に貴族っぽい感じがする。あと、名前かっこいいかよ。自分の名前に惚れ惚れするわ。そんな事を考えていると、隣にいる子と目が合う。そう、俺の双子の妹、フローラだ。



俺の事をじっと見つめ、ニコニコと笑う。めちゃくちゃ可愛い。もう一度言う、めちゃくちゃ可愛い。絶対将来可愛くなるな。そう思いつつ、俺もニコッと笑い返す。すると向こうも笑い返す。妹が可愛いので飽きることなく続けていたら、気づいたらもう夜だった。



(この可愛い妹を守るためだったらなんだって出来そうだな。確かこの世界って魔法が使えるんだよな。早く使いたいところだが)



すると廊下から何やら会話らしき声が聞こえる。



「奥様、この度はご出産、おめでとうございます。元気に産まれてきてくれて本当に良かったです」



「ありがとうセバス。おかげさまで私も子供たちも元気よ。これからの毎日が楽しみでしょうがないわ。だって可愛いんだもの♡」



「お元気で何よりです。それよりも、どうされるんですか?」



「....そうね、ヴァロワ家始まって以来初めての男の子だし。公表するのはまだ先の方がいいわね。それこそ王国がパニックになりかねないしね」



ああ、そういえばこの世界って、男女比が1対100なんだっけ。なら俺が貴重な存在というのもわかる。


とりあえず俺がこれからやる事は決まった。まずは、この家とこの国について把握する事。この国における男性の役割について調べる事、そして母と妹をめいっぱい愛でる事。まだ知らないことが多すぎるし、0歳の赤子にできることなんて限られてるからゆっくりやっていくとする。



(とりあえず妹と沢山遊んで、母親に可愛がってもらって、家族愛を深めるところからだな)



魔法も勉強したいし、剣も学びたい。家族を守れるくらいには強くなって、できることならあんなことやこんなことだって、、、










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