弟と妹と私
私には、トモヒロという発達障害を抱えた弟が、エリの下に居ます。トモヒロは私と年が離れすぎているのと、トモヒロこそ母から愛情を一身に受けて育ったため、私からすると嫌悪の対象です。
トモヒロの障害が分かったのは、トモヒロが3歳の時でした。トモヒロも祝福2世という立場で神様の血統、心が綺麗だから傷付きやすいからトモヒロを絶対に叱ってはいけないという母のルールがありました。
後に分かったことですが、母は私に手を上げるだけでなく、トモヒロが産まれてからはエリにも手を上げるようになっていたようです。
エリは自分の外見にとてもコンプレックスを抱いており、それは私も母もよく知っていました。
しかし私はエリとの関係が良くなってからはエリのことを嫌いだと思ったこともありませんし、私なりにエリを大事にしていました。ありがたいことにそれはエリにも伝わっていたようで、エリも私を慕ってくれました。
「あの頃のお姉ちゃんは大嫌いだった。」
「私も」
「今は好き。」
「私も」
「お姉ちゃんに似てるって言われるとすごい嬉しい。」
エリと母について話す機会はよくありましたが、とにかく2人で母の機嫌を損ねないようにしよう、母はトモヒロのことばっかり、などと愚痴を零したものです。
私が結婚をして家から出た後に、エリにも母とのトラブルがありました。
エリや母から聞いただけの話しですが、母がエリに「ブス、死ね」と暴言を吐き続けたようで、父が止めに入るほどだったそうです。
それは私にとっては許せることでは到底なく、私はエリにとにかく家を出て母から距離を取るように言いました。エリはすぐに実行しました。
「めぐみが家を出て寂しかったからエリだけは絶対に家から出さないって決めていたのに…」
そう言った母に私は恐怖すら感じました。
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