私は愛されていなかった?

勤めている間、私は常に人の顔色を伺うように過ごしていました。朝来て一緒に働く人たちの顔を見るだけでその人の機嫌が分かるのです。

そしてその人たちの機嫌が悪いと私のせいなのではないかと思うようになったのです。

6年ほど勤めたある日、妙な噂話トラブルに巻き込まれ、噂を流した犯人扱いをされて私は精神疾患を患いました。

そこの職場は共産党が支配している職場でした。上司も私を庇ってなどくれませんでした。加害者が何故か被害者になり、被害者が何故か加害者に仕立てられる。それが共産党なのだと実感しました。

心療内科では仕事のストレスだろうと少しお薬を飲むようになりましたが、私は2度も再発を繰り返してしまいました。その度に自分を責め立てました。

どうして治らないの?どうして働きもせずに家にずっと居るくせに治らないの?

昔から母の顔色を伺い、機嫌を損ねないように過ごし、暴力に耐え、自分は悪魔の子だと思い続けてきた結果がこれでした。

子どもが産まれてから、幼馴染と会ったことがあります。その幼馴染に言われた言葉で私は更に自分を追い詰めていました。

「めぐちゃんさ、ぶっちゃけ上の子と下の子、どっちが可愛い?」

「え?どっちも可愛いよ。上は上の良さがあるし、下は下の良さがあるし…」

「そうなん?私は断然下の子。上の子、なんか可愛くない。生意気。」

ああ、そうか。だからお母さんはあの時私のことをお前は生意気だと言ったんだ。お母さんは私のことなんて可愛くなかったのだ。お母さんはエリだけだったのだ。

だからお母さんは私を叩いたし、殴ったし、首を絞めたし、悪魔の子だと言った。

私がどんなに願っても、お母さんが私を愛してくれることなんてなかったんだ。

そんな気持ちが私を更に支配して、何をしていても涙が止まらなくなってしまいました。朝起きて、何をしても自分には価値のない人間に思えてきていました。

心療内科で泣きながら診察を受け、薬が追加で処方され、私は3年ほど戦っています。未だにまともに働いていない自分を責めてしまうことがあります。

働いてお金を入れないとお母さんに愛してもらえないから、と思い続けてきたせいでしょうか、それは分かりません。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る