借金
そんなある日、私は母に初めてランチに誘われました。
「めぐみと2人でご飯を食べに行ったことなんてなかったもんね、一緒に行こう!」
初めての母からの提案に私は少し恐れを抱いたが、母が私を気にかけて誘ってくれたことが本当に嬉しかった。私はすぐに行く、と返事をしました。
2人でランチを食べて今教会で何をしているか、仕事はどうかと話したりしてとても有意義な時間でした。しかし、母の本題はこれからでした。
「めぐみにお願いがあるんよ。めぐみにしか頼めないの。」
大好きな母から私にしか頼めないというお願い。相変わらず母に愛して欲しかった私は母の話に耳を傾けることにしました。
「なに?」
「お金を貸して欲しいの。100万。」
「100万!?何に使うの!?私、奨学金の返済もしてるのにそんなの無理だよ…いやだよ…」
「お願い!どうしても祝福のために必要なの!」
「無理だよ、100万も貯金ないよ。」
「大丈夫、お金を借りれるところを教えてあげるから。」
私の拒否の言葉も虚しく、私は母にプロミスというお金を借りるところに連れて行かれました。私は恐々母の言う通りに100万の借用を願い出ました。
お母さん、本当にこれ、大丈夫なんだよね…?私がお金を借りたらお母さんは私のことを愛してくれるんだよね…?もう怒ったり殴ったりしないよね…?
そんな不安な気持ちに押し潰されそうになり、プロミスのスタッフの方から「きちんと働いているか、今の職場に電話をかけさせてもらう」と言われ酷く焦りました。
何とか今の職場で何とか看護師として頑張っているのに、この借金のせいで私の職場も滅茶苦茶にされるという強い恐怖を抱いたのです。私は泣きながらプロミスの人に電話したり押しかけたりしないで欲しい、本当にきちんと働いているから、と訴えました。
働いているか確認が取れなかったせいか、借用できたのは50万だったが、母は満足したようでした。
お金を借りたら他は何をするわけでもなく、「さ、帰るよ」と。私はこの時点で用済みになったのだと実感しました。
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