第38話 妖精と精霊


 というかそんなスキルを与えれたりする強さの存在がいるってことだよね


 会ってみたい。そんな技が使えるようになれば味方をできるだけ減らさずに勝てるだろうからね


 でも……それだけというより主様がその国に関係していそう


 ピュアの国を聞いた瞬間とても愛おしく感じた。それだけでは理由として薄いかもしれないけど……私が愛おしく感じるのは近しいものたちだけだから


 きっとその国について知れば主様に会えるかもしれない。そう思うとどんどん欲が出てきて私が私じゃなくなるかのよう


 怖いけど知りたい……自分の欲が湧いてくるなんて私初めてのことで怖いけど、そこに主様がいるかもしれないなら私は何に染まってでもそこに行き忠誠を誓う


 ……家族が止めたとしても


「ねえクレール」


「ん?なあに?主様」


「私もピュアの国に行ってみたいんだけど……」


「無理だと思う」


「……やっぱり?」


 人間は受け入れないのかな?


「うん。人間が入ったなんて話は聞かないからね」


 うーん……どうしたらいいだろう?


「あっでも妖精は入れるみたい」


「妖精?」


「あれ?知らない?」


「物語の中やゲームの中で出てきたことはあるけど」


 そういえば妖精と精霊の違いってなんだろう?


「うーんそれだったら妖精と精霊の違いとかもわかんないかなそれじゃあ説明しようか」


「うん」


 よく言うのは妖精が下で精霊が上の存在、そして妖精はイタズラをする迷惑な存在って言われているけど


「精霊は自然の中にいて実態を持たない存在、そして妖精は主に実態を持った存在だね。動物の姿が多いけど強い存在で人型、エルフといったほうが正しいかな……その姿に羽根がついた容姿をしているよ」


「イタズラはしないの?」


「イタズラ?しないと思うよ?あっでも……人と契約するときに自分にふさわしいか見極めるために試練を課すことはあるみたいだけど」


「自分が契約したいと思うときでも?」


「力の強い役割を持った妖精はね。自分の意志だけでなく役割を全うする為にも試練を課すらしいよ」


 ふうん……妖精は楽しければいいっていう楽天的で刹那的な生き方をしていると思ったけど意外なことにかっちりしてるんだな


「どちらも力をもった存在で精霊は意思は無いといわれているよ。妖精が働きかけて力を発揮する。うーん……命令を待っている機械みたいな感じかな」


 機械……私の並列思考みたいなものかな?


「それじゃあなんでピュアの国に妖精が入れるの?」


「あぁ、それなら妖精の力について教えようかな。まず妖精は天候を操作することができるんだ」


 天候の操作?


「妖精が役割との関係を考えながらその国は発展させちゃいけないなら災害を多く起こしたり発展させたいなら晴れの日を増やしたり、そんなときに精霊の力を借りたりするんだけどね」


「どんなふうに力を借りるの?」


「うーん……まず一人の力では国全体を覆うような魔法を使うことはできないでしょう?だから魔力を貸してとか集めてとかお願いするの」


「天候って魔法で操作できるの?」


 あの理科で習った上昇気流が~とかみたいなの関係ないのかな?


「極端に良くしたり悪くするには魔法を使うけど普通の国なら何もせず自然のままの天気だよ」


「そして一番知られている力として契約した相手の魔力をもらって精霊魔法を使うことができる」


「妖精魔法じゃなくて精霊魔法?」


「うん。妖精自身も魔法は使えるけど精霊を操作したほうが大きな魔法を使えるからね」


「精霊は魔力を貸したり集めたりする存在じゃないの?」


「それもするし魔法も自分の意志がないから他人の、妖精の力でだけど使うことができるよだから精霊に使わせるから精霊魔法なんだよ」


 うーんそれって私にもできないかな?


「ねえクレール、その情報は人間の中にはないのかな?」


「うん、ないと思う……って見えなきゃ無理だよ?それに操作もしなきゃだし」


 やってみればいいじゃない


「心眼」


「主様!」


 見えるキラキラと光っている


「やっぱりここにもいたんだ」


 思わず口に出す。それくらい……きれいだ


「主様……目が金色……もしかしてイル・クレアトーレ様なの?宝石みたいできれい……」


 目?そうか偽装がはずれているのか……


 でもそれより


「きれい……えっ!?」


 思わず伸ばした手からキラキラが私に入ってきた


 ドクン……ッ


「ウッアッアァ!!」


「主様!?」


 熱い、熱い熱い熱い!体が、胸が燃え盛るように熱い!


 頭が朦朧とそうだ並列思考は……?


 うっ物凄い情報が入ってくる


 魔法の研究は途中情報だけもらってそのリソースも心眼の解析とすごく魔力を使っているから取り込むのに使って……


「はぁ……はぁ!」


 どんどんと処理した情報が入ってきている


 天才って称号が付くくらいでしょ?これぐらいの情報処理できて当たり前でしょ?


 ………………

 …………

 ……


 これで最後……


「終わり……つかれた……」


 "主様?大丈夫?"


 "ん。終わったでもちょっと休みたいあれもちもち……"


 "ふふっこれがしたかったんでしょ?"


 体の下にクレールが広がっている


 "ん。気持ちい"


 "おやすみ、主様"


 "おやすみクレール"


 そして私はまどろみの中に沈んでいった

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