第35話 テイム!


 うーん私の並列思考を埋め込むことができたら知能は間違いなく上がるだろうな


 並列思考をAIのような知能を持った形にできるか実験台として試してみようかな


「スライム!」


 声に出てしまったけどいいや取り敢えずテイムしてみよう


「ふふっそれじゃあスライムを見つけましょうか?スライムは草原によく出てきますからね」


 私のワクワクに母上もつられたのかいつもの2割増しで笑っている


「それじゃああーくんに探してもらいましょう。どんな子がいい?」


 そりゃあもう生まれたてのなんの特性も持っていないかわりに無限の可能性のあるスライムですよ……と言いたいところだが自分で見て決めたいからたくさんいるところに行きたいな


「たくさんから選びたいからたくさんスライムがいるところ」


「そう?それじゃああーくんスライムがたくさんいるところに案内して頂戴」


 母上がそう言うとスライムのあーくんはまた一度伸びるとポヨンポヨンと跳ねていった


「ついていきましょうか」


 そう言われるまで私はわらび餅が跳ねてるとついよだれを出しそうになりながらじっと見つめていた


 ついていくと森の中に入っていくどうしてだろう?


「スライムは草原にも出るというだけで森の中の泉の側にたくさんいるのよ水からできたと言われているくらいよ。実際はわからないけどね」


 ふむふむ確かに水まんじゅうだもんね泉のそばにいそうだよね


 それから十分程歩くと泉に出た


 そこには色とりどりの水まんじゅう……スライムがいた


「さぁシャル、どの子を選ぶ?」


 スライムはのんびり屋さんなのか私達が近づいても逃げようとしない


 今更だけどどの子も顔がついている。にっこり笑顔だ……うんかわいい


 色々と心眼で、見ていると一匹のスライムがぷるぷる震えていた


 なんでだろうと思って鑑定してみる


ステータス


ブルースライム


レベル5


状態 分裂


 おお!これはピュアスライムとかできるんじゃないの?


 そう思ってワクワクしながら見守る


 するとミカヅキモのように割れ目が入って分裂するのかと思ったら出産のようにポヨンと小さな透明のスライムが生まれた


「すごいわね、滅多に見られないピュアスライムじゃない」


 おお!やっぱりすごいの?


 そう思って見ていると大きいスライムが怒りの表情をして小さいピュアスライムにぶつかった


「え?」


「ああ、言ってなかったわね、弱すぎてすぐに死んじゃうから珍しいのよ」


 そう言われてピュアスライムを鑑定してみる


ステータス


ピュアスライム


レベル1


スキル 知能プラス補正


 ピュアスライムのところを見てっと


ピュアスライム


説明 無限の可能性を秘めているためその分弱いが強くなる可能性を秘めたスライム


 やっぱり!ピュアスライムは無限の可能性を秘めたスライムなんだ!


「母上」


「あの子にするの?さっき言ったように弱いわよ?」


「うん、テイムの仕方を教えて?」


「簡単に捨てちゃだめよ?」


「うん」


「まずはあの子を守ってからねどうにかしてピュアスライムを連れてきなさい」


 そう言われたのでピュアスライムの前に駆け出す


 そしてバッと手を広げブルースライムに魔法を使う


 混乱状態や憤怒の状態を解く魔法、鎮静!


 するとブルースライムは普通の表情になると怒って攻撃していたのを忘れたかのようにポヨンポヨンと跳ねて何処かへ行ってしまった


 私はスライムを見送るとぷるぷる震えるピュアスライムを見据えた


「ねえ、ピュアスライムさん」


 ピュアスライムはこちらを向くとぷるぷる震えるのをやめて辺りを見回してから疑問の表情を浮かべた


「私が攻撃をするのをやめさせたよ」


 するとぴょんぴょんと嬉しそうに笑顔で跳ねる


 やっぱりスキルがあったようにこの子は賢い


「よかったら私と一緒に来ない?」


 するとピュアスライムは嬉しそうに体を屈伸するように伸び縮みさせている


 なので私はしゃがむと両手を差し出す


 するとピュアスライムはぴょんと跳ねて乗ってくる


 やっぱり賢いなと思いながら立ち上がると私の片手くらいの大きさのピュアスライムを連れて母上の方へ行った


「連れてこれたみたいねそれじゃあ言うわね?モンスターと一緒の意志になったら魔力を渡してモンスターからも魔力をもらうのそうしたらモンスターに契約紋が刻まれるからそれで、できたか判断しなさい」


「はい」


 私の魔力を流し込んでいくとピュアスライムからも魔力が微量ではあるが返ってくる


 少しの間そうしているとピュアスライムの顔の上の部分に紋章が刻まれた


「できたようねピュアスライムでは無理かもしれないけど契約するとその魔物と念話をすることができるの。頭の中で考えたことを相手に送るイメージでやってみて」


 えっと……"私はシャル、シャンデルだよよろしくね"


 そう念じるとスライムはびっくりしたように辺りを見回すそしてこちらを見るとにっこり笑顔でぴょんぴょん跳ねる


 微笑ましく見守っているとどこからか声が聞こえた


 "シャル、よろしくねよかったら僕に名前をつけて"


 びっくりした。頭に響くように幼い子供のような声が聞こえたのだから


 このピュアスライムしかいないのだからきっと念話をしてきたのだろう


「うーん……あなたはクレール!」


 そう言うとクレールはキラキラと光って大きくなった。ついでに私の魔力もちょっとだけ吸い取られた


「あら、進化したのね」


 進化するんだ……いのうモンスターみたい


 取り敢えず心眼で見てみよう


ステータス


名前 クレール


種族 ピュールスライム


レベル1


スキル 知能プラス補正 主様への忠誠


 "主様これからよろしくね"


 ニコニコスマイルでクレールは告げた

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