第33話 ダンジョン!
能ある執事は実力を隠すって感じのとただたんに面倒に巻き込まれたくない両方思ってるけどやっぱり面倒のほうが嫌だな
「二人ともカードには納得したかな?」
「はい!」
「うん」
別に今は魔導具には興味ないし、興味出たときに心眼で構造を見てみればいいだけだし
「それじゃあダンジョンに行こうか?」
急だね、でも私はダンジョンを探し回る前にダンジョンの性質を知りたいから行きたいな
「うん」
「危険ではありませんか?もう夕方ですし……」
兄上は暗いから不安なのかな?ダンジョンってどんなとこなんだろう
「夕方だからこそ言ってるんだよ、人がたくさん居ないほうが都合がいいからね」
にっこりと微笑む父上
「シャル……そんなキラキラな目で見ても父上は不正はしない……と思うよ」
「えっ!?シャルがこの目で見るときって僕が不正するのを期待したときなの!?」
だってこの顔の父上すっごく不正してます。お気になさらないでください。お気になさったら……どうなるでしょうね?っていう顔してるもん
「シャル~……流石の僕でも不正は……多分しないからね!」
いや多分って言ってるとこが怪しいんだよ
「はぁ……じゃあなんでそんなにっこりしたの?」
「そんなの……」
何?
「そんなの!僕がシャルにいいとこ見せれるからに決まっているじゃないか!」
あー……
「ウザ」
「ぐはっ」
「そんなにもうなだれることなの?はぁ私達はダンジョンに潜ってくるから」
「はい!またのお越しをお待ちしております!」
やっぱり母上はかっこいい
「それじゃあ一度あの部屋に戻るわね」
「は~い」
「はい……」
「……レン?そんなに怖がってちゃ魔物に食べられちゃうわよ?最初は誰でも怖いものよ?だから大丈夫。最初は弱いものから倒すからね?」
「は、はい母上。」
母上が兄上を抱きしめてる
兄上はホッとしたように吐息を吐く
私も期待しているから聞いてもいいかな
「どこのダンジョンに潜るんですか?」
「えぇ、まずは動物の楽園というダンジョンに潜るわ。そこなら獣型の魔物しか出てこないから忌避感は少ないでしょうからね」
そういえば私にも忌避感はあるのだろうか?
命を奪うということができるのだろうか?
まぁどちらにしても倒していかないといけないのだから魔法で感覚を鈍らせてでも倒さなきゃいけないだろうけどね
「分かった」
「分かりました」
「それと、はぁ……そろそろ行くわよクロ」
「はい!喜んで!ってここ転移部屋?」
そうなのだ。母上の細い腕で父上を引っ張って階段を降りたりめんどくさくなって階段から蹴り落としたりして部屋まで戻ってきたのだ
「これから動物の楽園へ行くわよ」
「わかったよハニー」
そう言うと今度は父上が魔法陣に近づいて詠唱して起動させる
「…………うん。これでよしと」
「それからシャルは弓じゃなくて短剣を使いなさい。自らの手で命を取る……終わらせる重みを感じなさい」
やっぱり母上は私の中に不安が生じているのを感じているのかな
自らの手で命を終わらせる……重いね
「それじゃあみんな、陣の中に入って」
父上の呼びに答えて4人全員入り切ると父上が詠唱を唱えて転移させた
そこは山の前の小屋のようだった
前世で言うログハウスのような見た目をしている部屋だ
窓からは山とそこに空いた洞窟それから少し離れたところに街が見えた
「ここが動物の楽園の前だよ早速外に出ようか」
そう言うと父上は魔法陣から出てドアの方へ向かった
私はスタスタと父上に続いていく
ガチャっと言う音と共に外に出ると山に夕日が沈んでいくのが見えた
「父、夕日が沈んだ。早くいかないと」
「ああ、わかったよそれじゃあ二人とも行こうか」
「えぇ」
「は、ハイ」
みんなで小屋から出ると父上が魔力で小屋を包み隠した
そして数十メートル進むと洞窟についた
洞窟の前には衛兵のような人がいて見回っている衛兵とちょうど神殿の扉を守っていた騎士のように突っ立っている兵士がいた
父上はその突っ立っている兵士に向かって歩き出した
「ふわぁ……ん?止まれ!」
大きなあくびをしていた。暇だったのだろうか?
夕方は人が少ないと父上は言っていたし、やることが少なかったのだろう
だが、睨んでくるのはいただけないかな
「カードを出せ」
「ハイ」
「こ、これは!すいませんでした!Sランクのお方で!」
「この子達は連れだから入っていい?」
父上は心底面倒くさそうに言う
こういう媚びへつらう系の人間が嫌いなんだろう
私も嫌いだからね。そうならないように気をつけよう
「は、ハイ……!どうぞお通りください!」
最初とは打って変わってビシッとしたキビキビとした動きで対応し、敬礼する
「それじゃあ行こうかみんな」
父上はこちらを向いて一度微笑むとズンズンと歩いて入っていった
私もどんな動物……魔物か……がいるのか気になったので目をキラキラさせてついていく
「シャル、このダンジョンは入口は洞窟だけど中は草原と森になっているんだ。ほら眩しくなってきたろう?」
確かに道の先が光で満たされて何も見えない
何も見えないのはちょっと不安になる
「大丈夫、ほら行こう」
そっと手を引かれてその眩しい光のなかに入るとそこには……
「うわあ~!」
すごく広い地平線が見えるほどの広さの草原と確かに茂った森が見える
不思議なことに太陽もある。お昼ごろのピカピカお天気だった
「ふふっすごいだろう?これがダンジョンだよ」
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