第30話 冒険者カード!の機能


「クロ、そろそろ冒険者カードを発行してもらうわよ」


 話が終わるのを待っていたかのように母上が話しかけてくる


「ああ、そうだったね。行こうかシャル?」


 父上は途端に落ち着き払った様子になり私の手を引いて歩き出した


 父上……手を引くのこなれてる感じだな


 やっぱり父上は母上以外の女性もエスコートしたのだろうか?


 家族は有り得そうだけど他の未婚の貴族女性とかにエスコートしてたら母上すごく嫉妬しそうだけどね


 どうなんだろう?今度聞いてみようかな?うんそうしよう。楽しみだなぁ


 その時父上は寒気を感じたと後に明かした


 今度は降りるのと反対に沢山の階段を上っていく。父上とギデンはわかるけど母上も息を乱さずに登るなんてすごいな。私はちょっと呼吸を乱しておこうかな


「はぁ……はぁ……」


「シャル?疲れたのかい?おいで」


 父上は階段と階段の踊り場で膝をついて手を広げた


 ここは素直に持ち上げてもらおうかな。だって……私の身長からするとまだまだ階段は一段一段が高いからね。下りるのも怖かったよ


 父上の片方の腕に腰を乗せると父上は危なげなく私を持ち上げると私の身長からして重いはずなのに軽々と階段を上っていく


「父、私重くない?」


「ん?軽いよ?もう少し重いほうがシャルは細すぎるからいいと思うよ?だからご飯をいっぱい食べれるようになろうね?」


 父上から笑顔だけど圧を感じる


 そう言われてもな……私前世から少食だったから直すの難しいと思うんだよな~


 だから母上もそんなに期待した目で私を見ないでください


「はぁ……私、食べたくないです」


 あからさまに母上はがっかりした様子を見せる


「でも、レンはいっぱい食べてるから階段を上っても息を乱さずにいるよ?悔しくない?僕はくらしいけどな?」


「だって兄上、太らないのがおかしいくらい食べてますもん。私にはそんなに食べれませんもん」


 父上と反対方向をツンとした様子で向く


「シャル?こっちを向いておくれ?」


 そう言って、父上はもう片方の腕に私を移し私の顔を見ようとする


「いや!」


 そう言ってまた反対の方を向く


「シャル?こっち向いてくれないとほっぺたにチューしちゃうぞ?」


 そう言ってチューと言いながら唇を突き出してキスしようとしてくるのをサードアイと耳で感知したのでキッと睨みつけて頬を叩いた


 パン!


 いやぁいい音がしたねぇスッキリ!


「シャルが打った……ハニーシャルに打たれたよ~!」


 うわあキモい


 父さんにも打たれたことないのにとか言いそう


 パン!


「……!?」


 父上はもう片方の頬を母上に叩かれた驚きすぎて口が開いている


「は、ハニー?」


「うちの家長だというのに生意気なこと言ってるんじゃありません!それにシャルに叩かれても痛くはないでしょうに」


「いや……それは……」


 残念だが痛かったろうね


 だって魔力を込めてたもん流石に本気の一撃とは言わないけど結構な量の魔力を込めて打ったからね~痛かったはずだよ?


 でもねえ男のプライドっていうものが邪魔して大人しく痛かったなんて言えないんだよね?


 ザーンネーンで・し・た!


 私は今きっとニヤニヤしているだろう


 まあ誰にも見られていな……


「シャル……ニヤニヤしてるよ?」


 なんだと……!兄上が見ていた……だと?


 この上ない屈辱!兄上なんかに気づかなかったなんて!


「ふふっブスッとした顔もかわいいねチュ」


 む~まあ兄上のキスなら許してやろう


「ふふっかわいいけどついたみたいだよ?」


 そう言われてハッとして前を向くとギデンがものすごく俺は何を見せられているんだろうって顔してる


 wと思っているとギデンがこっちを向いたそして頼むという目で見てきた


 嫌だと言って困らせたいけど早く冒険者カードを受け取りたいしな


 そう思って父上と母上を見るとまだなんか母上怒ってる


「母、冒険者カード受け取りましょ!」


 母上はその声にハッとするとそうねと言って父上に私を下ろすように言う


 そうすると二人はコソコソと話しだす


 何話してるかは聞き取ろうと思ったら聞き取れるけど今はいいや


「ギデン!冒険者カードってどんなの?」


「んぁ?ああDランクは銅板のカードだな。もう見せてもらったとは思うが、証明書になるくらいしか教えてもらってねえんだろ?」


 他に何があるんだろうと思いながら頷く


「冒険者カードはどこでどんな魔物をどれだけ倒したかを教えてくれる」


「……つまり?」


「ダンジョンで倒した魔物の数を不正報告できないしたら罰金だ。それから依頼を受けていなくてもその情報から依頼を受けることができる」


「どんな依頼?」


「そうだな……そのダンジョンを管理する貴族から魔物を減らしてくれという依頼とかその魔物の素材がほしいとかいう依頼、そして盗賊や犯罪者の引き渡しや遺品の届けとかだな」


 盗賊や犯罪者の引き渡しはわかるけど……


「遺品の届け?」


「ああ、引き渡しは生きているやつでこれはカードに記録されない。だが、殺したらカードに記入される。そして犯罪者や盗賊の武器や持っている物それかもうあるいは首を持ってきたら報奨が貰える全身を馬車で引きずってくるやつもいるな」


 ふぅん、でもめんどくさいよね


「届け出をしなかったら?」


「犯罪者になる。殺人だからな当然ギルドからも除名だ」


 まあそうだよね


「遺品が持ってくるのが面倒だったらただ襲ってきたやつを殺しました~って言えばいいが、書類とかを書いたり、事実確認なんかしなきゃなんねえからより面倒になる」


 うわあ面倒


「だから遺品を持ってきてもらうのが一番手っ取り早いし、遺品は倒したやつのものっつーことになるから申請すりゃ持っていたいいもんか、換金した金がもらえる」


 ふぅん、まぁじゃなきゃ盗賊なんかから他の人とか守ったりしないよね

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