第29話 この世界は?
「そうですか、そのメイドは何か言ってはいませんでしたか?」
「慰めたりしてくれないのかよ?」
「逆に慰めてほしいのですか?」
「いや、そりゃあ美少女に大変でしたね?とか労られたいものよ?男って単純だからな」
そういうものだろうか?第一私は男なんだが?(設定上)
「男に褒められたい変態さんだということは分かりました」
「いや、俺はそんなことは言ってねえだろうが!たとえで女の子に慰めてもらいたいって言っただけじゃねえかよ!」
ああ!もう!とギデンは叫ぶ
「よし、行きつけの娼館に連れてってやるよ」
「あ、そういうのパスで」
「なんでだよ!?」
えーうっざ……
「てめぇ今うざいとか思っただろ?」
「なんのことでしょう?」
「あーそんな嘘くさい笑み浮かべんな」
キモいんだよと続ける
キモい?私がキモいの?
「ギデンがキモいだけでしょう?私にまで不幸を寄せ付けないでください」
しっしと手をふる
「お前がキモいんだよ!女が嫌なら男の娼館の場所を教えてやろうか?」
ニヤリと笑って言ってくるが残念だったね!
「……やはりあなたの方がキモいですよ……男にするなんてことを考えだしたあなたの脳が腐敗しているんじゃないですか?」
私は完全に引いているからね!
えっそれともこの世界は男性同士でも妊娠できるとかいう世界なの?
「いや、俺が行ってるんじゃねえよ。揉め事が起こりそうな場所として知ってるだけで俺はそこを使ったことねえよ」
そうなの?でもねこの疑いは深いよ?
だって男だと思って掘られるとか最悪じゃん
男の格好しているのにやられるって男装してる意味もないじゃん
「悪かったってそんな険悪な雰囲気出すなよ」
またガシガシと撫でられそうになったので避ける
そしてラブラブ状態から抜け出した父上と母上とそれを見ていた兄上が近寄ってくる
「仲良くなったみたいだねシャル」
はい、仲良くなりました!って言うべきだろうが私は物申したい
「父、ギデンが女と男の娼館の場所を教えてやろうかって言われた」
「「な!?」」
ギテンと父上が驚く
ギテンはなんてことクロに言ってくれてんだっていう顔、父上はなんてことを教えられてしまったんだシャル!という顔
「ギテン?」
ギテンはびくりと反応するその後ろには死神が!
「ハ、ハニー話せばわかる。な?」
「私のかわいい子供になんてことを教えてくれているんですか!」
「ヒィ!」
やっぱり女は強いね
ガミガミと母上がギテンを叱っている間私は考えた
もしかしてそのメイドが王妃になっていてしかもそのメイドが転生者だったら……
乙女ゲームか何かの世界だとか思ってそうだよね~下剋上系?
「そのためにも私がヒロインとか言ってないか聞きたかったんだけどなぁ」
電波系っていうんだっけ?この世界はゲームの中だとか思ってそう
でも、結婚して幸せになりました。っていうのがおちであるはずだからゲームじゃないって気づくはずだけどな~
このことも一応トーレに聞かないとね
「シャル」
「なぁに?父」
父上が緊張した顔で話しかけてきた
「さっき私がヒロインとか言ってるか聞きたいって言ってたよね?」
「えぇ」
「それは誰のことかな?」
なんで緊張した顔をしてるんだろ?
「ギテンを襲ったメイドだった王妃ですよ」
「そこまで知っているのかい?」
「いいえ、でもさっきの話をもとにすれば分かりましたよ?」
はぁと父上はため息をつく
「そうだね。ギテンを襲った元メイドの王妃は狂乱して死んだよ」
「へぇ?やっぱりそうなんだ?」
「……驚かないんだね?」
何に対してだろう?死んだことに対してかな?
「きっと美しくなくなっていく自分に嫌だと思って死んだのでは?」
「……それもある。でも彼女は自分のことをヒロインと呼び、「なんで私が醜くなっていくのよ!」と言って年若いメイドに暴力を振るっていたんだそれを知って王に進言すると病気として殺せと言われてね」
は?
「このことは知らないんだね。王はもっと若くて美しい王妃が欲しくなったみたいでね?審議にかけられて殺すことになったんだ」
やっぱり電波系は死ぬんだな
「そしてまた新しい王妃を作って第2第3王子ができて今に至るって感じかな」
なんかこの世界を遊び場にしてた神が違う遊びをするために殺したみたいだなそのこともトーレに伝えとこう
「シャルには転生者の意味がわかるかな?」
探っているのかな?自分の生活を脅かす存在かどうか
「今わかるのは神の称号と転生者は関係がありそうですね?ってくらいですかね」
「何故?」
「転生者?っていうのがついてた勇者だけイル・クレアトーレ様の加護が弱くて地球とかいう場所の下級の神の加護がついてました。地球とかいうところの下級の神がイル・クレアトーレ様の邪魔をして転生者を作っているのではないでしょうか?」
まぁ推測だけど……でも父上は口元を覆って考え始めた
「何故王妃がヒロインだと言っていると思ったの?」
「物語の女の子の主人公のことをヒロインっていうでしょ?だから自分のことを小説の主人公だと思ってそうだなって」
ますます父上は考え込んだ
まぁ私にとっては主様のことを邪魔しない限りどうでもいい存在だけど
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます