第26話 冒険者になる!……テストを受ける
仮面をつけると父上は満足そうにうなずいた
「うん似合ってるよそれじゃあギルドマスターに会いに行こうか?」
……?
「ギルドマスターってことは偉いんじゃないの?忙しいんじゃないの?」
「ああそれなら大丈夫だよ。ギルドマスターとは今日来るって約束してるからね」
そう言うと父上は微笑む
「それじゃあ行こうか?」
「うん」
「はい」
そう言うと父上は扉を開き木製の階段を上っていくそして三階分上ったと思うと近くにあった大きな扉にノックをした
「おーいギデン来たぞ!」
父上が砕けた言葉遣いになった
そんな話し方もできるんだへぇ~
そう思っているとドタバタという音が部屋の中から聞こえ勢いよく扉が開いた
「はぁはぁよ、よく来たなクロ」
厳つい筋肉ムキムキの男が出てきた
「マスター扉を開けるのは私の事なんですが?」
そう言いながらスラリとした女性が出てきた
「あら、クロさんのお子さんたちですか?それじゃあハニーさんも?」
「久しぶりねソフィー」
母上がその女性に言うとその女性は母上に飛びつこうとしてギデン……ムキムキに止められていた
「あぁん!ハニーさま~ソフィーです~寂しかったです~……おいギデン離せ、私はハニー様の匂いをハスハスしたいだけだ!」
クールそうな印象がガラッと砕け落ちた
母上の熱烈なファンなのかな
でもちょっと熱烈すぎるかな
「離すわけね~だろうが!今離したらハニーさんに失礼なことをするだけだろうが!」
そうだろうね
「今日は子供たちの登録に来たのお願いできる?」
「はいもちろんです!」
「おい!それは俺の答えるところだっつーの!」
ドスンといい音とともにソフィーさん?の頭を殴った
「いったーい!何すんのよ!」
すごい音だったから気絶でもするかと思ったけど大丈夫みたい
「お前はお茶でも用意してこい!」
そう言うとムキムキ……ギデンはソフィーを放り出した
そして私達にソファーにかけるよう言った
そしてかけると早速といった様子ではなす
「はぁ……クロ久しぶりだな」
「ああそうだな」
「それじゃあ子供の登録だったか?」
「ああこの子達だ」
父上に押されて前に出るとギデンはこちらと兄上を見た
「八歳と十歳か?」
私と兄上は発育がいいようで私は120センチくらいで兄上は140センチくらい。この世界でも高い方に入るみたいだね
「五歳と八歳だ」
「五歳から戦わせるのか!?」
「ああ執事になりたいようでな。学校に通い出す前に執事養成学校に通わせようと思っていてな。だから戦闘訓練をしておかないと養成学校で遅れをとるかもしれないだろう?」
「それでも!五歳から魔物と対峙したら怖がるだろう?それで死んでからでは遅いんだぞ?」
どうやらギデンは私を心配してくれているようだ
「父、魔物ってどんなの?」
「はぁ!?そんなことも教えずに来たのか?」
「まずは一角兎から狩らせようと思っていたから特に問題ないと思っていた」
「はぁ……まさか武器の扱いもそこで教えるとか言わないよな?」
おお、お見事私まだ武器を使ったことありません
「……」
「マジかよ~。そうだったら冒険者に登録させるのは無理だ」
「なぜだ?冒険者登録するだけだったら誰でもできたろう?」
「少し前から実力がないと登録させちゃならんとの本部からの指令だよ」
あらら、じゃあ登録できないのかな?
「それなら少し訓練をさせてもらってから実力を試すテストを受けさせてくれ」
「まだ武器に触ったことないやつが戦えるようになるとは思えないけどなぁ?」
「不可能を可能にするそれが俺の座右の銘だ」
父上は俺っていうんだ。冒険者のとき用かな?
「はぁ……好きにしろ。ただし一時間だ」
なにがだろう?
「一時間後試験だ。それに合格できなきゃ今日は諦めな」
「分かった。どこでする?」
「第一闘技場。そこの部屋で訓練しとけ。そこでやる。対戦相手は俺だ」
確かに強そうだもんね。対戦相手になるのは当たり前か
「分かった行くぞみんな」
父上はそう言うとソファーから立ち上がりドアを開いて何処かへ行き始めた
そして階段を一番下まで降りるとそこには大きな扉があった
その扉を開くと広い石造りの小さなコロシアムのような部屋だった
「誰か見学に来るかもしれないな」
観客席を見ながら父上が言った
「それじゃあシャルは私と訓練しましょうレンはクロとね」
二人は食い下がるかと思ったがすぐにうなずいた
「分かった」
「うん」
二人は私達から離れて兄上の双剣を使って訓練をしだした
「それじゃあシャル、あの弓を出して。私は準備してくるから」
じゃあ弓を出そうかな
アイテムポーチから出すように見せてっと
それにしてもこの弓はきれいだな~
少しの間見惚れていた
「シャル!」
遠くから母上の声が聞こえたので見てみると母上の横にかかしが立っていた
「そこからこのかかしをうってみなさい」
そう言うと母上はかかしから離れた
そっか矢も出さなきゃ……っていうか、かかし位置遠くない?
アイテム欄から一本矢を取り出すと構える
そしてかかしの中心めがけて……離す!
するとストンっといういい音がした
多分刺さったと思う
「よくできたわそれじゃあもう一回」
それを何回か繰り返すと段々と感覚が掴めてきた
すると次は母上が動く水球を魔術で出したのを射抜く練習をした
そして次はジャンプをしながらうつ練習
そして2連発、3連発と様々な技を練習した
「取り敢えずはこれでいいと思うからそろそろ終わりましょうか」
「はい」
周りを見てみると何人かの人が観客席に座っていた
それから少し経つとギデンと沢山の観客たちが来た
「一時間だ。まずはどっちからだ?」
そう言うとはい!と兄上が手を上げた
「それじゃあ坊主お前からだ。武器は双剣か……よし俺に攻撃してこい。俺からは攻撃はしない俺に一本当ててみろ」
兄上は低い姿勢で双剣を構えた
「来い!」
そう言われると兄上は素早い速度でギデンに接近しギデンが持っていた片手剣をふっ飛ばした
そして唖然とするギデンの腰に剣の腹を当てた
「ハハハッ合格だ!力をセーブしてたとはいえ、よく剣を振り払ったな」
そう言うと兄上の頭を乱暴に撫でた
兄上はちょっとうれしそうな顔をした
「今度はお前か、お前は弓を使うのかそれじゃあ……こっち来い!」
そういった方向はかかしがある方だったのでついていく
かかしから30メートルくらいの距離まで近づいてみる
「そこから3本うってみろかかしの頭を狙え」
そう言われたので3連続で打ってみせる……頭に当てておけばいいかと思いわざとバラして刺さるよう打つ
するとギデンが近づいて確認する
「合格だ」
そう言うと私に近づいてきて頭を撫でようとしたのでグチャグチャになるのは嫌だったので腕を掴んで止めさせた
そのことに嫌な思いはしなかったのかギデンは笑い父上と母上の方に近づいた
「初心者とは思えねぇな特に黒い坊主には驚かされた」
「それでは登録出来るんだな?」
父が聞くと
ギデンはニヤリと笑い
「ああもちろんだ」
といった
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