第23話 おっようっふく♪
「ついたわ。この部屋よ」
母上が部屋の中でも奥まったところにある部屋を指す
「ここにはさっきのと同じしかけがあるわ」
そう言うと母上は先に部屋に入っていく
「待っててってことなのかな?」
「そうだと思うよ」
数分後母上が出てきて息をついた
「魔法陣の準備はしたから服を着替えましょうか。母上の部屋に寄ってからそれぞれ二人の部屋で着替えましょう」
そう言うと母上は歩き出した。きっと母上の部屋に服をおいてあるのだろう
「母上も着替えるのですか?」
兄上が聞いた
「えぇ着替えるわ。そしてこれから冒険者ギルドに行くけどそのときは母上って呼ばないでねさぁ何ていう?」
母上はいたずらに微笑んでこちらを見る
「えっと……お母様でしょうか?」
「ふふっ違うわ。シャルはわかる?」
「母さん?」
「うーん。それでもいいけどハニーさんでもいいわよ?」
いやいやそれは……
「父上の呼び方じゃないですか」
「あらそうだったわねあの人嫉妬深いから……はぁ面倒な男に捕まっちゃったわね」
クスクスと笑っているから本気ではないのだろう
本気だったら母上を監禁するか、殺して自分も自殺しそうだからね
そうなのだ実は父上は世にいうヤンデレというやつなのだ
前母上にちょっかいを出してた執事がいたから父上に報告したらにっこりスマイルでそうかいわかったよと言って次の日にはその執事はいなかったよ
ついでに母上も半日部屋から出てこなかったし父上はつやつやとしてたしね?
父上たちの部屋はたちの部屋にも近いから防音性がしっかりしているか、結界を張る技術が卓越しているかだね。……もしかしたら両方かもしれないけどね
そんなヤンデレな父上の血を継いでいる兄上が心配だ。
私?私は元の魂がヤンデレ夫婦の子供だから多分ヤンデレだろうから別にどうでもいいよ
家族をとても大事にするだけ……なんにも問題無いでしょ?
兄上は私への執着が強いからな……どうだろう?
まぁそんなことはいいとして
「じゃあ母上は母でいい?」
「母のほうが珍しくないかしら?」
「母上はいつも母上とよんでいたから母のほうが言いやすい」
「そうねぇ……それならいいわ。でも母上って呼ばないでね?」
「はーい」
兄上は何って呼ぶのだろうか?
「それじゃあ僕はシャルの最初言っていたか、母さんにしようと思います」
兄上は頬と耳を真っ赤にして私と母上のいない方を向く
兄上って結構恥ずかしがり屋だよね~
母上と目があう。あの目は私と同じことを考えている!
「「ふふっ」」
「な、何を笑っているんですか!母上、シャル!」
ふふっ
「「だって兄上(レン)が可愛いんだもん(ですもの)」」
「なっ……!」
兄上の顔が更に赤くなる口はパクパクと何かを紡ごうとするが何にもなっていない
ほんとにかわいい……ころしてたべちゃいたい
まぁ当主になってもらうために殺さないけどね?家族と主様をかけたら主様だもん
当たり前でしょ?
「それでは服を取ってくるから待っててちょうだい」
そう言うと母上は自分の部屋に入った
「どんな服だと思う?シャル」
「うーん草むらに隠れることのできる色の服とか?」
自衛隊の迷彩服とか?
「冒険者は街で目立つことが命だから派手な服だと思うよ?異国情緒溢れていたりね」
それじゃあ和装とかもあり得るのかな?
薙刀は袴を着て振り回してたからそうだといいな
そう話していると母上が部屋から出てきた
「これがレンの冒険者服、そしてこっちがシャルの冒険者服よ」
そう言って渡された服は袴に狩衣だったきれいな色合いの袴と狩衣だったのでいいなと思った
……もしよかったら簪でもほしかったまぁポニーでもいいけど……とりあえずシュシュでも作ろうかな
「それと二人の暗殺服も用意したわ」
兄上は静かに興奮してる
「だからといってすぐに人を殺すわけではないわこれがその服よ。冒険者服の下に来ておきなさいシャルにはこれも」
黒のシャツに黒いズボンそれから……さらし?
これは服の上に着るのかな?
「母上、これは服の上につけるんですか?」
「いいえ、胸に直接着るのはじめは侍女にやらせるといいわ」
性別不明の黒い子供?よくわかんない……それとシュシュ
「母上」
「なあにシャル?」
「布がほしいです」
「まぁ!シャルも刺繍をするの?」
「うーん裁縫をします」
「そうなの?刺繍道具と布を持ってくるわね」
母上はいそいそと部屋に戻っていった
「兄上はどんな服でした?」
「うーん。これはシーナの方の民族衣装ではなかったかな?」
中華服だねでも黒色だから赤ほど派手ではないかな
「すごく派手な服だよね?シャルはヒムガシの国の服だね」
そこはフランス語じゃないんだ?
あぁ……言ってなかったっけ?私フランス語も喋れますし聞き取れます
「そのシーナの服赤とかじゃないのでそこまで派手じゃないと思います確かに装飾はありますけどね」
「シャルは青い服に白い布と黒いズボンかっこいいね」
そうなのだシンプルなのだがとても気品のある美しさなのだ
「靴はどうするんだろうねこの靴ってことはないだろうしね」
「その靴を忘れていたのよ」
「母上」
「二人のブーツ焦げ茶のブーツと黒いブーツ両方好きなように選べるようにどちらかを履いたらどちらかをポーチに入れなさい」
「わかった」
「わかりました」
「それとシャル、布と刺繍道具よ侍女に持たせるから部屋で受け取りなさい」
「はい」
「それじゃあ二人とも着替え終えたら私の部屋の前に来なさい」
「らじゃー」
「はい、母上」
そう言うと母上は数人侍女を連れて部屋に入り、私と兄上はそれぞれ数人の侍女と執事を連れて部屋に入っていった
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