第21話 セバスとおばけちゃんは?
「ということがあったのです」
「つまり彼女は覚えていないということだね?」
「うん」
「それじゃあ調べまで見るよセバスが突然休んだことは少ないし、子供が生まれる前、そして伯爵家という情報があればすぐとは言わないけど見つかるだろうからね」
流石暗殺一家の長、私の長い話から重要な点を抜き出してる
「好きにしたらいいんじゃない?」
そう言うと私は野次馬根性でセバスとおばけちゃんの様子を見に行くことにした
そこではセバスがおばけちゃんに抱きついていた
「おばけちゃーん」
「あら、シャル!セバスはようやく私を私と認めてくれたわ」
おばけちゃんはセバスをベリッと剥がすと私の方にやってきた
「良かったですねぇ~おばけちゃんずーっと嫌われてるんじゃないかって最初の方言い続けてたもんね~」
「何を言ってくださっているの!?」
そうやって馬鹿騒ぎしているとセバスが涙を拭いながら近づいて来た
「お嬢様、フェリスを見せていただきありがとうございます。私はフェリスを誤解しておりました。もう私めのことなど嫌って本当にあの主を愛していたのではないかと思っておりました。ですがそれは違って彼女は私めを愛していただなんて……本当にお嬢様のおかげでございます」
セバスは片膝をついて私を見つめていった
「それじゃあセバスは執事養成学校に入ることに賛成してくれるってこと?」
「えぇ。あのフェリスの教えを習得したなら言うことはありませんよ」
「あのフェリス?」
「フェリスは最初は順位を認識していませんでしたから順位ではなかったのでしょうあの学校は上位五十名の成績を張り出すのでね」
ウンウン話通りだね
「ですが初めての試験では各先生から百点以上の評価をもらっていましたからね。私はその方法を知るために最初は近づいたんです。もしかしたら先生の弱みを握っているのではと思ってね」
おばけちゃん……フェリスを見ると初めて聞いたとばかりに驚いた顔をした
「でも話してすぐにそんなことはないとわかりました。そして今度は勉強法がすごいのではないかと思ってどうやって勉強するのか聞いたんですそうすると……」
セバスは間をとる
「教科書にマーカーしたり、ノートをまとめたりと私ももうしていることことばかりだったので要領がいいんだなと思いましたね」
「ふうん。そうなんだ~へぇ~」
「……シャル?」
フェリスの言わないでよビーム!
「じゃあ貸一つね?」
シャルはリフレクターを使った!
「クッ!まぁいいよ」
「……?何の話でしょうか?」
「セバスには関係ないよ……それで何でフェリスがすごいみたいなあのなんて言い方したの?」
「それはその後色々な先生に呼ばれて教えを請われたり、魔法の研究所の所長までスカウトに来ていたほどたくさんのことを知っていたり斬新なことを思いついていたからです」
例えば……とセバスは言い出す
「他国の執事の所作についても教えてもらいませんでしたか?」
「うん、他の国の人と関わるのに必要でしょうと言われたからね」
「外交や国に呼ばれるなどしてもその国の執事は相手の国に合わせた所作なんて今までしていませんでしたし、他の国の所作なんて知られていませんでした」
ふうん……それも柔軟な発想から来ているのかな?
「魔法の使い方も特殊でそのやり方を真似できる人はいないなんて言われていたほど優秀でしたからね」
そうなのかなやり方を教えてもらったらできたけどな?
「そういえばフェリスは今も魔法が使えないのですか?お嬢様に魔法を使ってもらったと言っていましたが……」
「それはね、今まで何もしてこなかったときはただ魂の姿だったんだけど今さっき魔法をかけてもらったでしょう?あれはゴーストになる魔法なんだよ。だから魂の姿では使えなかった魔法がゴーストという存在になれたことで使えるようになったよ」
「魔物になったということですか?」
「そうそう、そして主を君にした」
「主を私めに……って私にはテイムはございませんよ!?」
「魂の姿でいたとき魔力の動きが見えたから奥様……ここではハニーリア様ねのテイムのときの魔力の動きを魔法で再現してみようとして作った魔法だからテイムがなくても使えるよ?」
「……ふふっやはりあなたは規格外ですね」
セバスはクスクスと笑いフェリスを愛おしそうに見つめる。そして私の方を見るといった
「魔法は本来緻密な想像力と大量の魔力、そして魔力の循環が完璧に近くないとできないものなのです。お嬢様はまだ魔力操作ができないと思いますのに魔法を使えるようにするなんて本当にフェリスは規格外ですね」
うーん私は魔力操作できるんだけど内緒にしといたほうがいいよね
「私は別にすごいと思わないけどね?スキルがあるなしに関わらず魔力操作はできると思うけどね?」
フェリスはこっちを見るとそういった
「フェリスも鑑定式見てたの?」
「うん。私の初めての生徒の未来がわかる式典だったからね。でも残念だったね。子をなせないなんてね」
「子をなせない?もしかして女性としての生き方ができないと言うことですか?」
「うん。だから私は男性として執事になりたいけど難しいんだよね?」
そう聞くとセバスは少し考えてこちらを向いた
「旦那さまの許可さえ貰えれば私の養子として学校に通えるかもしれません」
マジで?
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