第15話 武器に呼ばれて……ガラスっぽいのにしなるとは?


 武器に呼ばれるという不思議体験をして、とりあえず片方の武器を見に行くことにした


「あら、こっちは弓の方ね」


 流石に私はアーチェリーや弓道まではマスターしていないのだが大丈夫なのだろうか?


 そう思いながら歩いていると部屋の隅の方に樽に突っ込まれた弓があったのだがそのうちの一つがものすごく気になった


 思わず手にとって全体を見る


 それは白いガラスのような見た目の弓だった。昔は透明だったのかところどころまだらになっている。金箔も貼られていたのか薄く金色がついている


「それがいいの?」


「うーん……」


 心眼で見てみるか


 鑑定結果


 風化した弓


 魔力を込めると……?


 魔力を込めると何か起こるのだろうか?やってみようか?でも母上がいるしな


「シャル、シャルが心配することなんてないわよ?どんなことができてもクロたちには内緒にしてあげるわ」


「ははうえ?」


 何か知っている?


ボソッ「あなたが3歳のときに私を助けてくれたでしょう?」


「なんで……」


「あなたが3歳のときにお茶会の後で私は魔力が暴走しかけているのに気づいたわ抑えようとしたときにはもう手遅れで死んでしまうのかしらと思っていたらシャルとレンが私のそばに来てしまってね」


「あぁそうでしたね」


「ふふっやっぱりあの話し方は違ったのね」


「えぇいつやめたらいいか分からなくて」


 3歳になった年の春、兄上が突然母上に会いに行こう!と言い出して驚かされたのを覚えている


――――


「シャル!母上に会いに行こう!」


「えっ?なんで?ははうえおちゃかいいったよ?」


「さっき母上が乗ってた馬車が戻ってくるのが見えたんだ!」


 いつも母上が疲れているだろうからって遠慮してるのに?


「とにかく行こう!」


 そう言って兄上は私の手を引いて玄関に走り出した


 その時に気づいたのだ魔力の乱れを感じると


 私は一生懸命走って自分の考えが違うことを祈った


 だが、


「母上!……えっ?力が……なんで?」


 母上の魔力が乱れていた汗をかきながらも必死に立っているようであったが魔力が溢れ出ていた


 その魔力によって兄上は威圧されたのか足に力が入らないようだった


「逃げ……て!」


 母上が倒れ込みながら必死に言った


 私は母上に走り寄って私の魔力で抑えようとしたがうまく行かなかったので魔力操作のスキルを強く念じて自分の魔力を母上の魔力と同じようにして母上に流し込んだ


 そうすると今度はすんなりと魔力が通ったことに安堵し魔力を体の中で循環させて、一番の原因を探し、それを外に転移させた。無色無臭の液体だったそれを空中に浮かべたままとりあえずは魔力の循環させる器官を落ち着かせた。


 そして小さい瓶に液体を詰めてゲームメニューのアイテムのところに入れた。すると毒と出たので、毒を盛られたのかと思ってそのまま封印した。


――――


「あのときの毒はいりますか?」


「いいえ、もうお茶会の主催者の家はもうないもの。その毒と思われるものはその家にありましたから好きにするといいわ」


 どうやって罪に問うたのか気になるけど今はいいか


「助けてくれてありがとう。力を隠しているようだったから今まで言い出せなかったけどありがとう。これからも隠し続けたほうがいいのでしょう?」


「うん、そうしてほしい。そのことを知ってたならもういいかなこの弓に魔力を通したいの」


「好きになさい。どうせもう使われることはないわ。結界は張っておくから」


 そう言うと母上は詠唱をして結界を張ってくれた


 私は安心して弓に魔力を込めた。


 私の魔力の限界量のほとんどの量を注ぎ込んだときその弓が強い光を放った


 その輝きに思わず目を閉じて次見たときには

透明感のある本体に金や宝石などが派手になりすぎない程度に飾ってある神聖な感じのする弓ができていた


『ありがとうそしてこれからよろしくね』


 弓から幸福の感情が流れ込んでくる


 とりあえず心眼で確認をする


 鑑定結果


 付喪神の弓


 大量の魔力によって蘇った付喪神のついた弓仲良くなれれば弓の強化や補正をしてくれる。蘇らせたシャンデルに強く感謝している。今のところシャンデル以外の人には使えない


スキル 所有者制限 強化 補正 連射 貫通 拡散 魔力矢 成長


 よろしくね付喪神の弓さんそう念じて弓を撫でれば弓の両端についた宝石がキラキラと光って喜びの感情と再び言葉が聞こえた


『よかったら名前をつけてその時魔力を消費するから今はしなくていいよ』


 そう聞こえたから私は微笑んで弓から視線を動かした


 すると母上がこちらを見ていて驚いた顔をしていた


「まさかそれほどの力を持っていたとはね」


 クスクスと笑うと


「今までやりにくかったのではなくて?」


 と聞いてきた


 私もふふっと笑うと


「兄上が勝手に部屋に入って来るのでその時に隠すのに気を使ってましたね」


「あらそうなのね?レンには今一度紳士としての心得を教えなくてはいけないわね」


 母上が怖い顔で笑ってる。……兄上が悪いんだから別にいいか


 一度構えをとってみる


 わわっ体が勝手に動くそして弓を引く


 ……ガラスっぽいのにしなった


 いや今はそれよりも引くのをやめてっと


 補正というより誘導っぽい先生にこうやるんだよって後ろから抱えてもらって腕はこうみたいなそれの強制バージョンみたいな


 覚えようとしてやったらマスターできるかな


「教えてもないのにほぼ完璧ね」


 母上がまた驚いたように言う


「動きに頭がついてなかったからそれを直せばいいわ」


 やっぱり母上は気づいているのだ


 観察力すごいな

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