第5話 鑑定式に行くよ!


 そして翌日……


 フローにいつもとは違うハーフアップという髪型にしてもらったよそして花の冠をつけさせられたよなぜかは教えて貰えなかったよ


 玄関ホールに行くと家族と使用人たちが勢ぞろいしてた


「ちちうえ、ははうえ、あにうえ!おはよーございます!」


 そう言うと皆がこちらを向いて父上が真っ先に近づいてくる


「あぁ私の可愛くて凛々しいシャンデル!今日は花の冠をつけたんだね!よく似合っているよ」


 そう言って抱きしめられる


「あらあらうふふシャンデル今日もかわいいわね」


 そう言って微笑む母上


「僕のエンジェル!父上離してください僕が抱きしめるんだ!」


 そう言って父上の背中を叩く兄上


「さて、今日は鑑定式だからね神殿に行くよさぁ馬車に乗ろう」


 そう言うと父上は私を腕の上に載せて人形を抱くように馬車に歩み寄った


 馬車の扉を執事長のセバスティアン(セバス)が開き柔和な微笑みを浮かべて頭を垂れる


 父上は私をクッションが一杯あるところに乗せると母上をエスコートして乗ってきた


 最後に兄上が馬車に乗るとセバスが扉を締めた


 ピシッというムチの音と馬のいななきの声を聞くと馬車がガラガラと走り出した


 意外と振動が激しくて体を傷めそうだ。クッションの上からでもそう思うのだから父上たちは大丈夫なのだろうか?


 だがそう思ったのも数秒間のことで私は初めての外出に目をキラキラと輝かせて外を見つめた


 石畳の道に石造りの家たち白い壁の家もあるし石を積み上げたような家もある大きな家が一杯ある庭も広くて門もゴージャスだ


 それから進行方向には大きな白亜の城と白い神聖な神殿が遠くからでもはっきりと見えた


 ちなみに前の父上のステータスでわかったかもしれないけどここは王政の国だ。一番上から王族、公爵、侯爵同等辺境伯、伯爵、子爵、男爵、準男爵、騎士爵だ


 準男爵、騎士爵は一代限りなので貴族として数えられないことの方が多いらしいけどね


 そしてうちは伯爵だ伯爵っていいよね~ギリギリとはいえ上位貴族に分類されるけどそんなに強い責任を取らされるわけでもないしもっと上も目指そうと思えば目指せるし


 まぁ私には兄上がいるし家を継がなくていいから気楽だけどね


 嫁ぐ義務があるとか言うんでしょ?私にはないよ?うちは派閥を作らない入らないをモットーにしてるらしいから嫁ぐとかえって不利になっちゃうらしいからね


 まだ執事になりたいって言ってないけど反対されることはないと思う。だってこんなに甘いんだもん


 そろそろつくかなと思って窓をもう一度見ると真っ白な神殿が目の前に迫っていた


 思わずわぁーと声が出る


「ふふっ私のハニー、シャルはほんとにかわいいよね」


「えぇそうねクロー」


 そう言って父たちが微笑ましそうにこちらを見ているとも知らずに


 とんとんっと肩を叩かれはっと気づく


「ふふっシャルもう神殿についたわよ降りましょう?」


 そう言うと母上は父上のエスコートで馬車を降りた


 自分も降りようと思うと兄上が先に降りていてこちらに手を差し伸ばしていた


「お手をどうぞマイエンジェル」


 キラキラとした王子様スマイルでこちらに手を伸ばしてくる


 ご令嬢としては手をとった方がいいんだろうけどな~私は男としてやっていきたいんだよね


 まぁ兄上が可愛そうだから手を取ってやるか


 そう思うと私は兄上の手の上に手を軽くのせ軽くはにかみ頬を染め降りた


 そうすると兄上は僕の手をギュッと握りしめ腕をひいて自分の胸の中に私を閉じ込めた


「カワイイカワイイカワイイ!かわいすぎるあぁ僕は一体どうすればいいんだ!」


 兄が限界オタクっぽい件について


 おっと思わず呟いてしまいそうになったよ


 キモいとか言ったらすごく傷つくんだろうな……よしいつかめんどくさくなったら試してみよう!


 そんな酷いことを考えられているとも知らずにレンはうちの妹かわいすぎる!と思っていた


「ふふっレン、シャルそろそろ行きましょう」


 そっちの方を見ると母上が父上と一緒に神殿の入口に立っていた


 兄上は無言で私の手を引いて神殿の入口の階段を登った


 登り切るとそこには大きな両開きの扉があり、その前には白金色の鎧を身につけた騎士がいた


「書状はお持ちでしょうか?ラ・モール伯爵」


 その騎士はなんだか不躾で侮ったような態度だった


 だけど私は一度くらいの間違いはあるよねと思って許すことにした


 私優しいなと思いながらニコニコしていた


「えぇ持っておりますともどうぞご確認を」


 父上もニコニコしながら豪華な装飾のされた紙……多分書状?を渡した


「……どうぞお通りください」


 なんだか悔しそうな顔をしながら騎士は扉を開くように指示をした


 そして私達が横を通り中に入ろうとすると


「王家の影のくせに……」


 そう悪態をついた


 私の中で神殿の品位がだだ下がりだ


 神は差別をするのですねだって選民主義の騎士がいたんですもの


 多分だけど神殿の所属の騎士でしょう?それなのに罰を与えないなんてそれはもう選民主義を許容した神ということですよね


 まぁ王政ということからもわかるかな


 こんなとこの神なんて信仰したくないなまぁ転生したときの神のせいで神の好感度もだだ下がりだけどね

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