第2話 カレーうどん

外食でカレーうどんを食べる時は、

必ず紙エプロンを借りる。

会社を出てお昼ご飯を食べる時はなおさら慎重に、汁が飛ばないようにしている。

取引先の人から突然アポが入るかもしれないし。


その日も同僚の美波ちゃんとご飯屋さんに行って、

カレーうどんを頼んだ。


「ネットニュース見た? キンプリの3人抜けるんだって」


「えっ、マジか」


「岸くんと平野くんと神宮寺くんが抜けて、ジャニーズも辞めるみたい」


「じゃあ解散?」

「廉くんと海人くんで、キンプリ続けるみたい」

「やっぱタッキーが辞めたのが影響してるのかな」

「どうなんだろうね、でもショックだよ」


そんな会話をしながら、カレーうどんを食べ終わり、紙ナプキンをはずした。


すると、紙ナプキンで鉄壁だった守りをかいくぐるように、黄色い点が私の白い服に付いていた。


汁が、飛んだ。


取り返しのつかないことをしてしまいました。


まあ仕事で着てる服だし、と思いながらも、

黄色いシミのことが、頭から離れない。


まるで頭の中に黄色いシミが付いたみたいだ。


濡れたおしぼりでシミをちょっと押さえてみる。

ぽわんと、なんだかシミが広がった気がする。


その日の午後はうわのそらで仕事をしていた。

キンプリロスではなく、カレーうどんのせいで。


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