第5話 せんべい

栩義が持っていた発明品を全て貸してくれたため、なんと1時間で15階建てのマンションができた。

「栩義さんカッコいいよ!!!!!!」

「栩義はやっぱり頼りになるわな〜」

「ハハハ、僕に不可能はない。何凸守とは違ってな」

「なんか言った?」

栩義が高笑いしてるところに、何凸守なんでも創留つくる本人が現れた。

「なんだこの建物⁉︎」

「これは僕のデンジャラスでデラックスでデッドリーな発明品でパパッと作ったマンション」

「えぇーーーーー⁉︎す、すごい。さすが栩義〜。ちょっと悔しいけどすごいなぁ」

「何凸守は栩義と違って純粋ジュンスイやな」

「確かに。ってか栩義が自信家ジシンカすぎるんだよ。まあ実力は確かだけど」

「せやな。まぁいいや。中でパーティやるからみんな呼んできてくれ」

「OK。………もちろん、車庫の見学もさせてくれるよね?」

「もちろん。ワイはウソをつくような男ではないで!!!!!!」














同学年のみんなはリビングに案内された。

「マンションがたった1時間で完成しましたー。誰のおかげやと思います?」

「さぁ?何凸守?」

「お前の金の力」

「ちがーーーーーーーーう!!!!!!」

いきなり天井が、金属音を鳴らしながら開いた。そして予想通り、中から栩義が現れた。

「この僕栩義初命です。なんか言うことある?」

「ありません」

「いや〜それほどでも…………って、えぇ⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎今なんつった??????」

「いいえと言った。お願いしたわけじゃないからいきなりありがとうって言われても困らない」

「は?」

鱗山うろこやま雷人らいとは、なんと逆翻訳でしか喋れない。勘のいい人しか言っていることがわからないのだ。意思疎通が難しい(雷人本人は結構常識人なんだけどねぇ)。

「それが理由です!お願いしたわけじゃないからいきなりありがとうって言われても困らない」

「あっそう(諦め)」

「………えっと、あの、ワイのターンでいいすか?いいよな?じゃあ、完成パーティっつうわけで、せんべいを召し上がれ!」

テーブルにドンとせんべいが大量に置かれた。

「何故せんべいなんだ?」

「せんべい⁉︎マジかマジかマジかマジかマジかマジかマジかマジかマジかマジか」

鑰匙間やくしまうるさい」

「いやいや、普通のせんべいじゃないで!高級せんべいや。スーパーで売ってるようなもんちゃう。老舗しにせ店のものや」

高島はギザギザしたせんべいを取った。

「これは何?せんべいなの?」

「千寿せんべいや。鼓月こげつの代表的なお菓子やで」

「へぇ」

興味なさそうにバリボリこぼしながら食べた。

「おおい!!!!!!もうちょっと味わって食べろや。アホ!」

「美味しいって。ってかせんべいはどれも美味しいし」

「全く、わかってないな。お子様舌の高島にはもったいなかったわ」

それでも高島は次々と千寿せんべいを手に取り、バリボリこぼしながら食べる。

「…………じゃあ、これならどうや。ぬれ煎餅や」

「本当だ。濡れてる。………なんか不味そう」

「いいから食べてみろ。ぶっ飛ぶぞ」

高島と鱗山はぬれ煎餅を食べた。

「私はフワフワです」

「しょっぱい」

「せやろ。美味いやろ」

「本当だしょっぱくて柔らかい。舌触りがいいね」

「さすが、希望のぞみはわかっとるなぁ」

希望は高島と真逆らしい。

「マジ⁉︎ちょっとかじっただけでそんなにわかるの⁉︎」

「うん」

「マジか。もしかしていいもの食べてんの?」

「そんなことないよ。ってか、舌触りの話しただけでこんなに聞かれるのwww?」

確かに実弥感触さねみざわ希望の言った通りである。

「じゃあ今度はこれ食べてみようぜ」

鑰匙間きらとが、黒胡椒くろこしょうせんべいを食べた。

「あ」

「あ(察)」

「あ(絶望)」

「辛いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」

やはり鑰匙間は叫んだ。

「こ、このせんべい、なんのために買ったんだ。口がピリピリする……辛すぎ辛すぎ辛すぎ辛すぎ辛すぎ辛すぎ辛すぎ辛すぎ辛すぎ辛すぎ辛すぎ辛すぎ辛すぎ辛すぎ辛すぎ辛すぎ辛すぎ」

「鑰匙間がぶっ壊れちゃったよ。ってかこの展開どっかで見たことあるな」

「その展開を紹介するとすごいメタ発言になっちゃうから控えとくよ」

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