第38話 母なる大地に勝利を・前編
私は新居千瑛。
この世界と世界の狭間を漂う幽霊よ。
日々、面白いことがないか彷徨っているの。
『新居千瑛、新居千瑛。面白いことがあるから女神オフィスまで来てください』
あら、女神の呼び出しだわ、珍しいわね。
暇を持て余しているし行ってみましょうか。
「何か用かしら?」
『新居千瑛、頼みがあるのよ』
「頼み?」
『非常に難しいミッションを主神から課せられてしまったの。貴方以外に達成できるものはいないわ』
「世辞はいらないわ。何をするわけ?」
『アフリカを世界の覇者にするというミッションよ』
「アフリカ……」
確かに中々難しそうね。
アフリカは人類が生まれたところと言われているけれど、ほぼ全ての時代で他の地域のカモにされていたわ。アフリカ主導の世界を作るというのはさすがの私も見当がつかないわ。
『天成が南米は二回勝たせているのよ。だからアフリカも、と言われたけど、アフリカはめぼしい帝国もないし条件が悪すぎるのよね』
「マラソンなら大体勝っているわよ?」
『そういう問題じゃないの』
「あとは鄭和が一度カルタゴで勝ったわよ? まぁ、バルカ家はスペインというツッコミもありうるけど」
『それにカルタゴ自体元々フェニキア系らしいし』
「ふむ、純アフリカじゃないとダメということね」
『その通り! だから、よろしくね』
仕方ないわね。
このミッションを達成できないと、また女神降格となる可能性があるわ。
女神はどうでもいいけど、代理をさせられるには面倒だし、手伝うしか無さそうね。
『アフリカならどこでもいいわ』
「どこでもいいと言われてもねぇ」
中央アフリカは情報そのものが少ないわ。
文字を持たない口伝の人達も多かったようで、イスラム地域以外だとヨーロッパ側の情報しかない地域も少ないわね。
果たしてどこにしたものかしら。
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