第21話 日野富子でエンタメせよ・前編
ワタクシの名前は奥洲郁子!
日々、悪女に向けて邁進しておりますわ!
今回、女神代行の新居千瑛に呼ばれましたが……?
「いらっしゃい、奥洲郁子」
「一体何の用でしょう?」
「メガミの千秋楽転生が決まったわ」
「おぉぉ、女神の?」
「今は陥落中だからメガミよ。と言いつつ、前話は作者がすっかり忘れていて漢字にしてしまっていたけど……。直すのもめんどうだから、あれは仕方ない扱いにするわ」
「で、何に転生するのです?」
「そろそろ年末ね。年末と言えば何?」
「クリスマス?」
「天界がそんなありきたりな展開になると思う? 年末といえばM-1よ。神々も笑って年末を過ごしたいのよ」
「そ、そうなのですか?」
神々はお笑いが好きだという、新しい知見を得ましたわ。
「ということで、メガミの最終試練は、もっとも笑える日野富子になることよ」
「もっとも笑える? 日野富子」
作者は第二部の早い段階から日野富子を題材にすると言っていました。とうとう日野富子転生が実現するのかと思ったら、そんな形の転生とは……。
作者はトミィに呪われるのではないでしょうか?
「ただ、メガミは怠慢さと卑劣さでは抜きん出たものがあるけれど、お笑いには向いていないわ」
「確かにそうですわね」
「そこでメガミは助っ人として、貴女に来てほしいと言っているわ」
「えっ、何故ワタクシなのですか?」
「………………つまり、貴女は悪女のエキスパートだから、日野富子のことにも詳しいでしょ。平常の日野富子とかけ離れた振る舞いに、お笑いが生まれるのよ」
「なるほど。そうでしたわね!」
「行ってもらえるかしら?」
「メガミのことはどうでもいいですが、悪女マニアとして日野富子を外すわけにはいきませんわ。参戦いたしましょう!」
「……よろしく頼むわね」
ということで、女神代行の新居千瑛に加えて、メガミの要請も受けて日野富子転生に携わることになりましたわ!
ワタクシが悪女通であることは天界の常識になりつつあるのですわね、満足ですわ!
"天成の独り言"
「本当に郁子で大丈夫なのか?」
「AIの試算では、郁子さんが失敗した場合93パーセントお笑いとしては成功するという結果が出ているわ。多分、成功するはず……」
「確かに、そんな失敗ありうるのかというのをやらかしているな。なるほど、メガミの目は確かということか」
「そうとも言い切れないのよ。逆に成功した場合は57パーセントしかお笑いになっていないという結果も出ているわ。ジャンヌ・ド・ヴェルヴィルや清少納言に振り回されただけで印象が悪いのよ」
「となると、ダメじゃないか」
「ただ、鄭和や私が行っても笑いとして失敗するのは目に見えているわ。天成が行くと単純に失敗するし、メガミの勘が間違っているとも言えないわ。ここは郁子さんの天性のお笑いの才にかけるしかないでしょう」
「M-1って、何回も出ている人は勝てないって言うけどな……」
うん?
俺、何か失敗前提のように思われていないか?
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