第20話 中世最強の刑事を探せ・番外編

 ハーイ、鄭和ヨン。


 今回、武則天が見事に成功したけれど、他の候補者について見てみるワネ~♪


Case1:張献忠ちょうけんちゅう

「目には目を、歯には歯を、殺人鬼には殺人鬼をということで、張献忠にしてみるワン」

『だ、大丈夫なのかしら?』

「今夜は誰も殺すべきヤツはおらんのか!? 狩りに出る!」

『ヒィィィィッ!?』

「殺せ、殺せ、殺せと! 殺せ、殺せ、殺せと! 叫ぼうよ!」

『O美林から苦情が来るようなことを言うんじゃなーい!』

 イーストエンドは無人の荒野となったけど、当然ながら本人も逮捕されてしまったワン。これは失敗ネ♪

『これは失敗ネ♪ じゃ、なーい!』


"千瑛ちゃんの一言"

「張献忠は明末に四川で大虐殺をした人物として知られているわ。最大の説を取った場合、一億人近くを殺戮したと言われているわね」



Case2:ラ・ヴォワザン

 第二部で出て来た毒殺魔ラ・ヴォワザンにしてみるわヨン。

「ヒェヒェヒェヒェ、わしに任せておけ」

『も、ものすごく不安だわ……』

「女どもよ。身の安全のためにこれを香水として持っておくがよい」


 数日後。


「刑事! イーストエンドで殺人事件が!」

『何ですって!? ラ・ヴォワザンの毒は役に立たなかったの?』

「い、いえ! 現場には被害者らしき遺体と加害者の遺体も!」

『加害者も?』

「わしの作る毒薬に偽りはないぞえ。ジャックが切り裂いた際に袋も破れ、その化学反応によって苦しみ抜いて死んだようじゃ。ヒェヒェヒェ」

『あんた、めっちゃ老婆然としているけど、死んだとき40くらいじゃなかったっけ?』


 これも一応成功のようね。あら?


「大変だ! テムズ川の上流で変死する人が相次いでいる!」

「おやおや、わしの工場から洩れてしまったようじゃのう」

『毒薬の管理くらいしっかりしなさいよ!』


 ダメだったみたいネ……。



Case3:方臘

 貧民の指導には自信があるらしいから、方臘を選んでみたわヨン。

『段々選択がヤケクソになっていない!?』

「我々はマーニーの教えに則り、喫菜を営むべきである!」

 ということで、大麻やアヘンを大量にイーストエンドに持ち込んできたワ。


「は~、浮世の憂さを忘れられるな~」

 アヘンがイーストエンドに蔓延して、アヘン代欲しさの犯罪は増えたけど憎悪犯罪やらシリアルキラーめいた連中は消えたようネ。

 毒を持って毒を制するという作戦だったけど、イーストエンドでの犯罪件数は圧倒的に増えたから失敗だったワ。



「結局、ボクが正しかったというわけだね」

『認めなくないけど、あんたみたいなタイプが適任だったのは間違いないみたいネ』

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