第17話 中世最強の刑事を探せ・前編
ハ~イ、アタシ、鄭和よ~ん♪
今日も女神代行の新居千瑛から呼ばれたワ。一体、何が待っているのかしら?
「鄭和、ちょっと重要なミッションが来たわ」
「何かしらん?」
彼女が"重要なミッション"というからにはかなりのものと思われるワ。
「女神が非常にヤバいのよ」
「あらん♪」
「13回終えて、8勝5敗なのだけど、14日目はとても女神では対処できそうにない難ミッションなのよ」
確か6敗すると、女神復帰はなくなるのよねン。
残り二つを一つも落とせない、シビアだわん。
「……そのミッションは何なのかしらん?」
「19世紀末のスコットランドヤードに転生して、切り裂きジャックを捕まえるというものよ」
「それは無理じゃナ~イ?」
もちろん、アタシ達は天界から見通しているから、犯人がアイツだということは分かっているワン。だけど、当時のイギリスでそれを立証することができるかというと無理よネン。
「そう、女神では無理よ。だけど、一人だけ中世から助っ人を連れていって良いというの。その助っ人を探してほしいのヨ」
「千瑛さんはどうするノン?」
「私はネコの管理があるの。放っておくとどんどんボタンを押すから見張っていないといけないわ」
「OK、仕方ないワネ」
ということで、引き受けたけど、これは難題よネ。
19世紀のロンドンに連れていって、活躍しそうな刑事徳性をもつ者を探し出す。容易ではないワ。
例えばノストラダムスを連れていって、「わしはこう予言した!」なんて言って捕まえても有罪立証はできないワ。斬り捨てごめんの武士も無理。
英雄的資質をもつ人物ではなく、極めて怜悧な頭脳をもつ男が必要になるのヨ。更に19世紀末のロンドンのことを理解して、進められる人物でなければならないし、女神に愛想をつかさない度量の広さも求められるワ。
そんな理想的な人物がいるのかしラ。
これは極めて難題よネ。
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