第7話 マーニー・ハイイェー、懲りずに新興宗教を作ります・前編
俺の名前は奥洲天成!
女神代行の新居千瑛と話をしていると、話が罰走中の女神のことになった。
「今場所五日目までの女神の星取りはこうなっているようね」
〇●●〇●
「今場所って言うなよ……。というか、二けた必要なのにここまで負け越しているじゃないか」
残り10日を8勝2敗で乗り越えないと女神復活はならないわけか。
知らんけど。
「今回も付き添いをしてもらうわ。奥洲天成、貴方の知っている人よ」
「俺の知っている人?」
「マーニー・ハイイェーよ」
マーニー・ハイイェーというと48話「完璧な宗教」で出てきた、マニ教の開祖じゃないか。
理路整然としすぎていて、自分で完全に完結させる宗教を作った結果、後の発展性を欠いたことで時代の流れについていけなかったというやつだな。
「そうよ。彼と共に7世紀のイランに転生してもらうわ」
「7世紀のイラン? ということは、サーサーン朝とビザンツがしのぎを削っていたら、イスラームが漁夫の利をさらっていきましたって頃か?」
「そういうことよ。作者がもう一度ハーリド・イブン・アル・ワリードを出したくなったみたい」
ハーリド・イブン・アル・ワリードか……
あれは則天武后とは違う意味でやばすぎる。敵に回したら勝てない。
しかし、マーニーだと味方につけてくれそうな感が全くないのだが……
「というか、この付き添い転生って、俺の勝利条件とかあるの?」
「勝ちも負けもないわよ。何かつけてほしいわけ? ハーリドを素手でぶっ倒してみるとか?」
「絶対無理だって」
「それでは、マーニーが新時代で新しい宗教を作る様子を見届けてくるのよ」
「ラジャー」
ということで、俺はマーニーと合流した。
「やあテンセー。まさか私の作った宗教がああいう結末を迎えるとは思わなかったよ。私もまだまだ見込みが甘かった。もっと未来を真剣に予想して、完璧な宗教を作らないといけないんだね」
見込みが甘いとかそういう問題ではないような気がするんだが。
キリストとかイスラムは千年以上経って、さすがに適合しない部分も出てきている感はあるが、それでも何とか解釈の余地を残しているわけだ。
そういう、柔らかい部分をどう設定するかだと思うんだが。
「残念だけど、私にはそういう考え方は無理でね。どこまでも未来に挑戦するしかないのさ。かかってこい、未来! このマーニー・ハイイェーが、おまえを制御しつくしてみせよう!」
カッコいいことを言っているように見えて、実は滅茶苦茶なことを言っている!?
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