第5話 清少納言、同人業界に殴り込みます・中編
ということで、清少納言と合流して現代世界へとやってきましたわ!
このタイトルでは初となる現代世界転生ですわね。
「奥洲郁子さん、私の聡明な頭脳は、早くも売れ線を見出したザマス」
「本当ですこと? さすがに清少納言は目の付け所が違いますわ。で、何を書くのでしょうか?」
忖度などは一切無用というのが清少納言の流儀です。
恐ろしい気もいたしますが、虎穴に入らずんば虎子を得ずとも言いますわ。ワタクシは、彼女とともにテッペンを、エースをつかむのです!
「この未来の日本にはジャッキーズなる寵童グループが存在しているザマス」
寵童グループ......
ま、まあ、見目麗しいのは間違いないのですが、アイドルグループをそう言うのはヘアピンカーブにギア8速で突っ込むくらいの危険さを感じますわ。
「在りし日のジャッキー南川の赤裸々日記を書くザマス! 私の聡明な頭脳の中では今、『金瓶梅』を超える、腐女子向け一大スペクタクルが正確無比に組み上げられているでザマス!」
「ヒィィィエェェェッ!?」
「春はSNAP。うんたらかんたら。夏は台風。ほにゃらら、らら。秋は……」
「ダメ、ダメ、ダメ、ダメ! ダメですわー!!」
これは、これはいくら何でも無しですわ!
世界中のアイドルヲタクに喧嘩を売る行為ですわ!
「......何故ザマス? そんなだから現代の同人誌は外見も中身も薄いザマス」
「貴女の時代ではともかく、未来の日本では、ジャッキー南川の行ったことは犯罪なのですわ。犯罪を扱う同人誌は無しですわ」
前話で皇室なんて言っていたから、てっきり週刊誌で話題の彼あたりかと思っていたら、そんな想像を遥かに超えておりましたわ。
そもそもこういう話は鄭和向きですわ。ワタクシにしないでくださいませ!
「郁子さんがそこまで尻込みするのなら仕方ありませんザマスわ。それでは
地元民以外は「何だそりゃ?」でしょうが、阪急宝塚線の終点は宝塚か雲雀丘花屋敷のいずれかですわ。
というか、これも問題ですわ!
「ダメザマス! これ以上の忖度は許しません。私達は書くザマス! ペンが何にも負けないことを、証明するザマス!」
「って、ペンなんて言うからには取材をしないと......」
「取材なんて面倒くさいザマス! 紫式部のように、想像だけで書くザマス! オスマンのハーレムを描いた作品、中国の後宮を描いた作品、それらを超えるものを生み出すザマス!」
ありのまま起こったことを言いますわ!
ワタクシは、権力者を弾劾するのかと思っていたら、ファンに喧嘩を売るようなものを、妄想の赴くままに書くことになってしまいましたわ!
何を言っているのかさっぱり分からないかと思いますが、ワタクシにもさっぱり分かりませんわ!
一つだけ言えるのは、清少納言は滅茶苦茶ヤバいということですわ!
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