第152話 宦官制度を交差させよ ~ シェール・シャーに転生しました・前編

『鄭和、鄭和。天界の女神室まで来てくれるかしら?』


 あら~ん、アタシを呼ぶ声ネ。

 女神代行の新居千瑛が、この鄭和の宦官知識を必要としているのネ~♡

 急いで行かないト♪


「どうかしたのかしら~?」

「……ここに作者からの謝罪文が届いているわ」

「謝罪文~?」

 一体、何を謝罪するというのかしら?

「まず、いわゆるLGBTQE運動の件だけど、インドでは1991年に『宦官:インド第三の性』という名前のフィルムがあったらしいの。つまり、既に存在していたのね」

「何と!」

「あと、この前、アーガー・ムハンマドが唯一の建国者宦官として紹介していたけれど、地方政権としてはインドのジャウンプール朝をマリク・サルワールという宦官が建国しているわ」

「これまたインド!」

「これらの事実を踏まえないうえで、以前話を作っていたことを謝罪すると言っているわね」

「作者も大変ね~」

「インドは予想以上に奥深いところだったわ。そこで、今回はインドに転生してもらうわよ」

「あら~、どの宦官になるのかしらン?」

「宦官ではないのよ。だけど、宦官を使ってもいいわ。シェール・シャーよ」


 シェール・シャーというと、北インドのスール朝の君主ね。

 ムガル帝国の第二代・フマーユーンがシャキッとしないから、ケツに一撃を入れて一時的にペルシアに追い払い、ムガルの地域も支配したのよ。

 その後、安定した勢力圏を築き上げて、見事な行政手腕を発揮したとも言うけれども、暴発事故で死んでしまったというワ。


「シェール・シャーになって、見事インド北部とパキスタンをまとめあげて、中国まで行きなさい」

「中国!?」

「そうよ。中国からインドに攻め込んだというと、王玄策がやっているでしょ? その逆バージョンを実現させるのよ。そのうえで、インドの無限界な宦官制度を中国に広めなさい。面白そうだから」

「素敵! 何て素晴らしいアイデアなのかしら!」

 全く無感情な顔で面白いという理由だけで、とてつもないことを提案する……。

 最高だわ! もう惚れちゃいそう!

 宦官だけど。


「じゃ、準備をして行ってちょうだい」

「分かったワン」

 インドの宦官を中国に……

 宦官制度の交配なんて、何てゾクゾクする話なのかしら。

 行く前から楽しみになってきたワ……

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