第150話 ピョートル3世に転生しました・中編
再び18世紀のロシアに来ましたわ!
アイ・シャル・リターン!
今回は敵役の方ですが……
ピョートル1世とエカチェリーナ1世の間には娘が二人いました。
一人が女帝となるエリザヴェータで、もう一人のアンナはドイツ・ホルシュタインへと嫁いでいきます。
このアンナの息子がピョートル3世ですわ。ちなみにエリザヴェータの前には女帝アンナがおりますが、これは別のアンナです。
この前のエジプトといい、今回のロシアといい、同じ名前が連続するのは本当に面倒くさい話ですわね。
エリザヴェータは未婚で子供もいないので、甥のワタクシを後継者としたのです。で、遠縁のゾフィ・アウグスタ……後のエカチェリーナ2世と結婚するように要求するのですわ。
エカチェリーナとの関係は徹底的に合わず、対立が強まっていき、最終的にクーデターを起こされて殺害されるのは知っての通りです。
ただ、ピョートルの最大の汚点は、その前に七年戦争でやった裏切り行為ですわ。
ロシアは七年戦争において、三枚のペチコート同盟を締結しておりました。
この戦争は大陸では、マリア・テレジアのオーストリア、エリザヴェータのロシア、フランスのポンパドゥール夫人が同盟してプロイセンと戦っておりました。三国が女帝なのでペチコートらしいですわ。
今ならばセクハラ間違いなしですが、当時はそういう話もなかったのでしょう。
イギリスはプロイセンを支援しておりましたが、全面的に乗り込むつもりはありません。
プロイセンはしぶとく抵抗しつつも滅亡寸前まで追い込まれたのですが、ここでエリザヴェータが死んで、ワタクシが即位したのですわ。
史実のピョートルは、プロイセンのフリードリヒ2世を信奉していて、フリードリヒと戦うという発想がありませんでした。ですので、あと一押しすれば倒せるところを撤退してしまったのですわ。
ワタクシはそのようなことはしませんわよ。
「プロイセンを地上から抹殺なさい! プロイセンにこの世の地獄というものを味合わせ、プロイセン国民は天国まで行くことがないよう一人残らず徹底的に焼き尽くすのですわ! イチ、ニ、サン、消毒ダー!」
「消毒ダー!」
大帝ピョートルの孫たるワタクシが命令すれば、ロシア人は従うのですわ!
フリードリヒはベルリンで戦死し、プロイセンは地図から消えました。
ロシアは飛び地領土を沢山ゲットしてホクホクです。
ポーランドの西側に領土を沢山したことで後々ポーランド分割で有利な条件を勝ち得ることができますわ!
この世界線では、ベルリンの東まではロシアの当然の領土として扱われるのです。
ヒトラーも、チャーチルもワタクシを止めることはできませんわ。
外交的な成果をあげたワタクシは家の問題にも取り組みますわよ。
婚姻相手のエカチェリーナとは、ぶっちゃけ何もかもが合いません。お互い不倫して、お互い子供を作っているような有様です。
史実では、全面対決に乗り出して、見事にピョートルが負けました。エカチェリーナ編を見れば分かりますが、あちらにはダーシュコワ公爵夫人という化け物がいて、まだ見出されていないポチョムキンまでおりますわ。
全面対決はいけません。
ワタクシはエカチェリーナに協議別居をもちかけました。
フランスなどと同じですわ。婚姻関係は解消しない。両者婚姻という状況は尊重して公的行事などには一緒に出る。しかし、両者とも別居で別々に暮らすわけですわ。
皇后の地位を保証したので、エカチェリーナも同意しましたわ。
これでダーシュコワ公爵夫人ら有望な人材を多少遠回しとはいえ使うことができます。彼女を用いて改革しますわよ!
「陛下、あまりにも行き過ぎた改革は危険ではないでしょうか?」
貴族どもが文句を言ってきます。
「改革の道を行けばどうなるか危ぶんではなりませんわ。危ぶめば道はなし。踏み出せばその一歩が道になるのです。迷わず行けよ! ですわ!」
"千瑛ちゃんの一言"
「何故、アントニオ猪木……?」
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