第144話 始皇帝に転生しました・後編

 そこからの秦は圧倒的だった。


「私に20万の兵を与えてもらえば、楚なんか余裕でぶっ倒してみせます」


 と李信が言う。

 史実では、こんなことを言っておいて大失敗して、王翦おうせんに出張ってもらうしかないのだが、弱体化した楚は李信にすら勝てなかった。


 王翦もこれだけ手柄が分散されれば不安はないようだ。李牧や項燕も働いているし、まさに無敵の陣容を手に入れたと言えよう。


 かくして、秦はあっさり天下を統一した。


 ちなみに北東の燕を滅ぼした際に、太子丹たいし・たん荊軻けいかを派遣するなんて話があるが、先に付近を懐柔しておいたので、奴は俺の手下になっている。俺が誰かを暗殺しなければならないことはないだろうが、とっておきの切り札として使えるようにしておこう。


 内政では李斯、韓非、張良(強制)、蕭何(探してきた)、范増(強制)を揃えた。

 将軍では王翦、李牧、項燕、蒙恬、李信、王賁、韓信(探してきた)が揃っている。


 北を李牧と蒙恬に任せて、南を項燕と韓信に任せて、中原は王父子に任せる盤石の構え。

 フフフ、「僕の考えた最強古代中国」といった装いだ。仮に三国連合が結成されたとしても、俺達には勝てん。


 あとは、秦が長く続く国家となるようにするだけだが、これだけ安定しているのだ、余程のアホを皇帝につけない限りは大丈夫だろう。


 そのためには、まず宦官の自由を厳しく制限する。

 趙高みたいなのが幅を利かせたらいけないからな。


 相続方式は、またまた出て来たが清の太子密建制度を取るぞ。

 扶蘇は真面目だから、普通に考えれば扶蘇以外ありえないだろうが。


 ここまでやれば完璧だろう。


 秦は永遠に続くのだ!


 俺こそ最高だ!



"みんなの一言"

「めっちゃ良い気になっていますわ」

「ここまでは順調すぎるほど順調だものね」

「順調過ぎて、話として面白くありませんわ」

「油断は禁物ヨ♪ 最後に何があるか、分からないわ♡」

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