第142話 一か八か不老不死? 〜 秦の始皇帝に転生しました・前編
「ということで、残りは始皇帝ね」
新居千瑛が資料を取り出し、俺を見た。
「残るは天成、貴方しかいないわ」
「始皇帝で最高点か......」
秦の始皇帝。
誰もが知る中国の最初の皇帝。
華北のみならず華南も制した歴史上初の人物である。
既にそれだけで大快挙だ。
これ以上、何を望むというのか?
最高点など取れるものなのか?
息子の扶蘇を殺さないとかそういうことをして、秦を長持ちさせることくらいか?
「これまでの古代チームの最高点は、扶蘇を二代皇帝・一皇帝として、韓信を大将軍にして、項羽を探し出して屈服させ、李斯と蕭何のダブル宰相制を実現させて、劉邦を王として取り立てたようね。秦は300年続いて、次の魏の曹丕は二十七皇帝を名乗ったわ」
「何、だと……?」
完璧じゃねぇか。
始皇帝は自分をスタートとして、以降の皇帝は数字を増やして二皇帝、三皇帝としたかったらしい。だが、秦は15年で滅んだので、以降の国は従わなかった。
先の時代でまで順番が守られているのは凄い。
これ以上なんか考えられないぞ。
『天成ー、頼むわよー!』
しかし、俺が最高点を更新できないと女神が死ぬことになる。
……
知らんがな。
新居千瑛の方が頼りになるからなぁ。
まぁ、そうは言ってもさすがに死んでしまうのを見捨てるわけにもいかない。
できる限りは頑張ってみよう。
『ちょっと私に対する扱いが酷すぎない!? 私が死んだらこの話が終わってしまうわよ!』
女神が言うが、新居千瑛がサクッとやりかえす。
「でも、逆もまた真なりで、この作品も1部・2部合わせて200話を超えてきたわ。マンネリ化は必至だし、そろそろ終わりにして、古代史か近代・現代あたりをテーマにした新作に切り替えた方が良いのではないかしら?」
『おまえはどっちの味方なんだー!』
『そうよ! 貴方は話が分かるじゃない!』
またまた外野が騒々しくなってきた。
それはどうでも良いのだが、挑む上ではヒントが欲しい。
「なぁ、新居千瑛、何か良いアドバイスはないか?」
鄭和にも、郁子にもヒントを出した彼女の才覚に期待する。
「アドバイスねぇ…」
新居千瑛はしばらく考えている。
「......気合と根性よ。諦めたらそこで試合終了だわ」
精神論!?
新居千瑛にも匙を投げられた!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます