第135話 ハンニバル・バルカに転生しました・中編
※前編がアレなので四話構成です。
世界を変える宦官・鄭和がハンニバルに転生したわよ~ン♪
カルタゴ、ローマ、いずれも宦官が及ばなかった地域だわン。ここを制することができれば、アタシの本懐なのだけれども……
「私があなたに任せた意味というものを理解して頂戴」
この、女神代行の言葉が引っ掛かるワン♡
アタシに思う存分やって、宦官世界を作ってくれ、というのだと当たり前だからこんなことは言わないはず。
アタシの何かを評価して、彼女はこんな言葉を残したと考えるのが自然よネ。
現状を振り返るわヨン♪
今回のアタシの所属地域カルタゴは、第一次ポエニ戦争でローマに敗退したワン。
その後、アタシの父ハミルカル・バルカが対ローマも見据えて、スペインに進出して東海岸を制圧したのヨ。この地域はアタシ一家のものね。
ただ、本国では色々派閥争いをしていて、これは容易に解決しそうにないワ。
特に大ハンノの一族はカルタゴの名門だけど、アタシ達の権益に反発していて、ローマよりアタシ達が厄介と思っているフシがあるワ♪
ミス・チエの目論見は宦官を使いハンノ家と仲良くしろと言うことかしら……?
イマイチ分からないわ。
まあ、いずれ分かるでしょう。
現時点のアタシ、若きハンニバルにできることは、対ローマを見据えた軍隊を強化することヨン♪
「アタシの部隊は、LGBTQEを全て認めるワン。貴方達の愛を実現できるのはこのカルタゴ軍、ハンニバル軍のみヨン♪」
「うおおぉぉぉ! ハンニバル様、バンザーイ!」
前回も触れたけど、ギリシア世界のテーバイには同性愛者を集めた神聖隊というものがあったワ。今回のアタシはそれを全面的に採用するわヨ。同性愛だけでなく、宦官達も含めるワ。
人権が大いに進んだのは、結局は戦争に勝ちたいがためよ。
第一次世界大戦、第二次世界大戦、総力戦となった世界では、人はすべての者の協力を求めたのだワ。
アタシもそうよ!
ローマに勝つために、人権をフルスロットルして、あらゆる禁断の愛を認めてみせるワン!
(ヒューン! ドカッ!)
ぐはっ! こ、これは、ツッコミハリセン!?
「あなた、モノローグが長すぎるのよ。早く進めなさい」
独り語りのしすぎでミス・チエがお怒りだわ。
早く進めないと♪
"女神の一言"
『ハラハラ……。だ、大丈夫なのよね? にいいちぇ?』
「今のところ、間違ってはいないようね」
『ちょっとぉ! 間違っていないようねって、不安になるようなこと言わないでよ! あんたのせいで、あたしは死ぬかもしれないのよ!』
「そうなったらその時でしょ。女神の幽霊なんて中々いないし、意外と楽しいかもしれないわよ」
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