第10話 明智光秀に転生しました・前編
『テンセー、この前のアタワルパ転生の報告書が主神にものすごく受けたらしいわ』
ある日、女神が上機嫌に話しかけてきた。
というか、主神いたのかよ。
女神とか最近出ないけどインテリ神の関係とか含めて、天界の中身がさっぱり分からんぞ。いや、全く考えていないらしいが。
そんな俺の考えを他所に女神は話を進める。
『だから次は明智光秀に転生してほしいって』
「何ぃ!?」
明智光秀だと!?
日本史最大のミステリーとも言われている本能寺の変を起こした男。
奴に転生しろと言うのか!?
むむぅ、転生したい。
本能寺の変を起こすか起こさないかはともかく、一体、どういう経緯で変に至ったのか知りたい。
し、しかし、大丈夫なのか!?
本能寺の変研究は凄いぞ。いい加減な推測で原因を打ち上げたら、他の説から一斉攻撃を受けるかもしれないというのに。
『私はね、天成は奥洲天成でヨーロッパがメインだからやめといたほうがいいと言っておいたのよ。どうせなら明智小五郎くらいにした方がいいんじゃないかって』
ヨーロッパ人じゃねえだろ!
大体、明智小五郎、実在人物じゃないから、二次転生とかややこしすぎるから!
「いや、やってやるさ、明智光秀。まさに俺が転生するにふさわしい相手だ」
『そう? だったらまあ、その計画で進めておくけど』
ゴーサインが出た。
ということは、天界の資料室に入れるということだ。
ひょっとしたら、そこに決定的な証拠があるんじゃないか!?
俺は喜び勇んで言ってみたが。
『天界資料館にある日本中世史資料館は●×展示会出品のため、▽月■日まで休館いたします』
ノー!
資料が読めねえ!
まあ、別にいい。
明智光秀の場合、別に途中を変える必要はない。
重要なのは本能寺の変がどう発生するか、ということだ。
そこまで見極めたうえで、変を起こして三日天下回避ルートを目指すか、あるいは謀叛をとりやめて織田家泰平ルートを目指すか決めることにしよう。
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