第61話 【番外編】本当に凶悪な魔物がいたら?
注:この話は歴史に基づくものではなく、フィクション系ファンタジー世界の話です。
俺の名前は奥洲天成。
凶悪な魔物が跋扈する世界に転生してきた。
俺はパーティーの連中とともに道を歩いていた。
何せ凶悪な魔物がいる世界だ。パーティーも4人や6人では不安だ。
俺達は22人パーティーを組んでいた。
勇者が四人(俺も含む)、戦士が七、魔法使いが五、僧侶が五、騎士が一人だ。
何で勇者より騎士の方が少ないかって?
勇者は自称でなれるが、騎士は身分がない奴は名乗れないからな。
地図によると、このあたりに村があるようだが、見えてきたのは牢獄だ。
「何でこんなところに雑居房のようなものが沢山あるんだ? 勇者B?」
「分からないな。とりあえず近づいてみよう」
と思って、雑居房に近づいた途端、急に「ブー! ブー!」という物凄い音が鳴り始めた。
と同時に雑居房の中に何人かの男女が現れた。
ダダダダダダ!
無数の銃弾が飛んできて、俺達は逃げまどう。
「ぐわー!」
「そ、僧侶Eー!」
一時間後。
俺達は街の中にいた。
「済まないねぇ。ガーゴイルとかハーピーといった空から襲ってくる魔物も多いので、この街は全部の建物がトーチカ(小型防御用施設)になっているんだよ」
町長がそう言って謝罪してくる。
謝罪されてもハチの巣にされた僧侶E達十六名は帰ってこないが、確かに凶悪な魔物がいるのに町をオープンにしているのもまずいし、平和な街のように町民が出歩いたり、簡単に出入りできる店など作れるはずがない。
だから、建物全てを鉄格子でブロックして、いつでも撃墜できるように機銃を装備しているということなのだろう。
ここは俺達が平和ボケしていたと認識するしかない。
僧侶E達の犠牲のうえに貴重な教訓を得ることができた。
「6人以上で行動するとこの街の連中は相手を強盗団とみなすから、これ以上仲間を増やさない方がいいぞ」
なるほど。
ゲームにおけるパーティーの人数が少ないのはそういうことだったのか。
確かに、数十人で武器屋や城に押し寄せるなど、強盗以外考えられないからな。
しかし、我々は国王から要請を受けて戦っているというのに、酷いものだ。
「国王なんて屁でもねえよ。そもそも国なんて言うのなら、道にモンスターが出ないような場所にしろってんだ」
確かにそれは言える。
街と街の間を移動していたら、数歩ごとに敵が襲ってくるなど、現代のシリアやホンジュラスでもありえない。
国家として崩壊していると見るか、せいぜい都市国家と見るかのどちらかだろう。
"女神の一言"
魔王の境界に近いところでは村人が強い、みたいな設定の話がありましたが、魔物に勝てるほど強い面々がいるのなら、その人達が開拓に乗り出すでしょう。
ということは、ひたすら治安が悪いので、皆、猜疑心が強くなり、徹底的に防備を固めてくると考えるのが正しいのではないでしょうか。
ちなみに店を鉄格子で覆っているというのは作者が見たわけではありませんが、南米などではあったりするそうです。
暴動が頻繁に起こるわけですからねぇ。
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