愛の惑星

@mt0719

第1話

 僕が生まれ落ちた。惑星は化学と極寒の星だ。

 そんな僕の星にないものはただ一つだけ。「愛」だ。

 僕の星は化学ではどうにもならないほど寒い。

 この寒さが僕は嫌いだ。

 だから、僕はこの遠く離れた太陽系第3惑星、別名愛の星に暖かいという「愛」を求めてやってきた。



 「愛」を最も強く知ることができるのは思春期の高校生というものらしい。

 高校一年の冬。

 僕の「愛ってなんだろう」と言う問いに

 「愛はお互いが思い合い、家族になってそれを育むこと」っと言ったのは君だった。

 ポニーテールの癖がついた髪の君

 校庭で走り回る君

 泣くと鼻の先が真っ赤になる君

 僕の愛してるの言葉に頷く君

 初めてのデートに「ごめーん」と言って遅刻する君

 僕のプロポーズに「うん」と頷く君

 ここに来てまだ少ししか経ってないのに僕は少しの間あの「化学と極寒の星」に帰らないといけなくなった。

 何も変わらない寒い星。何億光年も離れているのに君の温もりを感じて、いつもより少しだけ暖かい気がした。

 僕は君に会いたくて、急いで君の星に帰った。

 でも、この星には、この世にはもう君はいなかった。

 僕の心は熱くなって灼熱のこの星の恒星太陽のようになっていた。

 熱いのは寒いのよりもっと痛くて、辛いものだ。



 


 僕は分かった少しだけ分かった気がする。

 「愛」が僕の星に無かった理由が、僕の星は、熱いのが苦手だからだろ。

 でも僕はこの熱さを知れて良かったと思う。

 多分この熱さは君と僕が愛し合った分だけ熱くなっているから。

 

 最後にまた君に会えるのならこう言いたい「愛してる」と。

 

 

 


 

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