第136話
本の
以前は
そんなことは気にもせず、机の上にゆったり
「んー、それでは、作戦会議を始めるわよ!」
積み重なった本の上からウサギが、ピョン、と飛び下りた。オレンジ色の元気な毛玉。よく
「ヘザーは由香里の体を乗っ取って、モルモフを支配するつもりなんじゃないかしら? 血の女神ヘザーを
「えっ、でも、アイリスとチャシュは入れないんじゃ?」
由香里はチュシュの姿を探した……。さっきまでそこにいたのに……?
「ん、見つけたのよ。ツガイモ以外の者が宮殿の中に入る方法をね」
アイリスが黒い手帳を机の上に置いた。
由香里はチャシュを見つけた。積み上げられた石の本と本の
「ビーは、これで宮殿の中に入ったのね」
「……そうなんだ」
「で、どうやって戦うつもりだ? 何か
ウサギが鼻先で手帳を開く。
「ん、宮殿ごと本にするのよ」
ウサギと由香里がポカンとアイリスを見た。意味がわからない。
「宮殿で血の女神を包んで本にするの。んー、本にして封じると言えばわかるかしら? 宮殿が紙で、女神が文字になるのよ」
アイリスは黒い手帳をパタンと閉じた。
「おいおい、待て待て。アイリス、おまえ、何言ってんだ? そんな事……できるのかよ⁉ いいのかよ?」
驚いたウサギが机の上をピョンピョン
「女神の宮殿だぞ。神聖な宮殿だぞ。その宮殿を、本にするのかよ⁉ それはいくら何でも、ぶっ飛びすぎだろ! マジかよ⁉ ダメだろ! ヤバいだろ!」
「マジよ。こんなこと、
アイリスがムッと口を
「おもしろそうじゃねーか!
好戦的なウサギがニヤリと笑って身を乗り出した。
「んー、簡単に言うと、宮殿の中心に魔女の
「めちゃくちゃムズいじゃねーか!」
ウサギが後ろ足で机を、ダン! と叩いた。
「たから作戦会議をしてるんじゃないの! 知恵を
魔女がギャーギャー、ウサギがピョンピョンダンダンと、ああだこうだと作戦を
由香里は部屋の
ツガイモ以外の者、暗殺者が女神を殺すために宮殿の中に入る。宮殿の中に逃げ込んだ女神は、袋の
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