第114話
「由香りんはぁいい音を持ってるおん。あぁんなぁひどぉい音でぇ気持ち悪ぅい動きができるなんてぇすっごい才能なんだおん」
「……そうなんだ」
これは
「踊りや歌に必要なぁ体力や体の使い方はぁ暗殺術でぇ教えたからぁそこはクリアしているんだおん。これからぁ由香りんがぁクリアしちゃうのはぁ発声法とぉ楽器の
豹がキラリと光る眼を細め、にんまりと舌なめずり。
「ねえ、アズキ。モルモフの歌や踊りや楽器って、暗殺術が
「ちげーよ。由香里の世界と同じだよ。ビーが
「……ビーも私と同じ訓練を?」
「してないだろ。あんな狂った訓練、ありえねーって。あれはビーのオリジナルメニューだろ」
「……だよね」
由香里は天を
「なぁなぁ、由香里。出かける時に、木の実や果物をたくさん置いて行ってくれよ。俺、ウサギの姿だと木に登れないんだ。草も葉っぱも食べ
うるうる上目づかいでかわいくおねだり。あざとかわいいウサギのアズキ。由香里は、うーん、とほほ
「いいよ。でも、葉っぱも食べてね。甘い実ばかりを食べ
「おう。愛してるぜ、由香里」
ウサギは甘い実をむちゃむちゃ
由香里はちょっと苦笑い。もしこれでアズキがまん丸な
「由香りんの中にぃ流れているぅ生まれ持ったぁリズムと音がぁあるんだぉ。誰にでもぉ遠く遠く祖先から受け
「……そうなんだ」
首を傾げる由香里。私の中にリズムと音? そんなの感じたことないけどなぁ。祖先から? 日本の伝統音楽……
「あたしとぉ由香りんにはぁ全く違う音楽がぁ流れているんだぉ。だからぁ
豹がうっとり目を閉じて
「……うまれる前に、私がビーの訓練についていけるかどうかが問題だけど」
ため息をつく由香里にビーが言った。
「心配ないぉ。由香りんはぁ見た目はかわいくてぇ
「……そうなんだ。クレイジーなビーが、クレイジーって言うってことは、私はごくごく普通の人ってことでしょう」
ウサギの口から木の実が落ちた。由香里、それは違うと思うぞ。
「ビーについていけるかなぁ」
「由香里ならついていける気がするぞ」
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